8 発症形式の異なる心サルコイドーシスの2例

【症例(1)】58歳女性. 動悸にて救急搬送. 受診時ECGは202bpmのVTであり, cardioversion後のQRS幅は0.128msecであった. UCGでは心室中隔の菲薄化, 心尖部心室瘤を認めた. Tc心筋シンチで心尖部のイメージ欠損, 心筋MRIで心筋内に遅延造影増を認めた. 前斜角筋リンパ節生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスを診断した. VTStudyでclinicalVTが誘発され, ICD植込み術を施行した. またHV時間が150secと延長しており房室伝導障害も示唆された. 【症例(2)】53歳男性. めまい, 失神にて近医受診し, 完全房室ブ...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 60; no. 1; p. 37
Main Authors 竹内和航, 若林靖史, 掘込美枝, 山崎恭平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2012
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Summary:【症例(1)】58歳女性. 動悸にて救急搬送. 受診時ECGは202bpmのVTであり, cardioversion後のQRS幅は0.128msecであった. UCGでは心室中隔の菲薄化, 心尖部心室瘤を認めた. Tc心筋シンチで心尖部のイメージ欠損, 心筋MRIで心筋内に遅延造影増を認めた. 前斜角筋リンパ節生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスを診断した. VTStudyでclinicalVTが誘発され, ICD植込み術を施行した. またHV時間が150secと延長しており房室伝導障害も示唆された. 【症例(2)】53歳男性. めまい, 失神にて近医受診し, 完全房室ブロックの診断で紹介受診. 受診時ECGでは右脚ブロック, 左軸偏位であり, UCGでは心室中隔の菲薄化を認めた. Tc心筋シンチで下壁領域のイメージ欠損, 心筋MRIで心筋内に遅延増影像を認め, 心サルコイドーシスと診断した. LVGでdiffusehypokinesis(EF19%)であり, かつVTStudyで200bpmのnsVTが誘発されたため, CTR-D植込み術を施行した. 【考察】サルコイドーシスは障害部位によって病態が異なるが, 複数の病態が併存することがある. 本2例のように, VT発症であっても房室伝導障害があり, 房室ブロック発症であってもVTが誘発されることがある.
ISSN:0037-3826