3 巨大嚢胞を形成した甲状腺癌の1例

症例は78歳男性. 2007年に頚部腫瘤に気づき, 当科を受診した. 3回嚢胞液細胞診を行ったが, いずれもclass IIであったため経過観察されていた. この後胃癌の手術を行うことになり, 同時に頚部嚢胞手術を行った. 巨大嚢胞を形成した甲状腺癌であり, 巨大嚢胞と甲状腺右葉切除ならびに頚部郭清を施行した. 摘出標本では嚢胞の内腔に突出する腫瘍を認め, 組織学的には乳頭癌と診断された. 乳頭癌で巨大嚢胞を形成するものは検索した範囲では自験例を含め5例しかなく, きわめて稀な病態と考え報告した....

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Published in信州医学雑誌 Vol. 59; no. 1; p. 41
Main Authors 北野真希子, 秋田眞吾, 小山佳紀, 河西秀, 久米田茂樹, 下条久志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2011
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Summary:症例は78歳男性. 2007年に頚部腫瘤に気づき, 当科を受診した. 3回嚢胞液細胞診を行ったが, いずれもclass IIであったため経過観察されていた. この後胃癌の手術を行うことになり, 同時に頚部嚢胞手術を行った. 巨大嚢胞を形成した甲状腺癌であり, 巨大嚢胞と甲状腺右葉切除ならびに頚部郭清を施行した. 摘出標本では嚢胞の内腔に突出する腫瘍を認め, 組織学的には乳頭癌と診断された. 乳頭癌で巨大嚢胞を形成するものは検索した範囲では自験例を含め5例しかなく, きわめて稀な病態と考え報告した.
ISSN:0037-3826