Citrin deficiency as a cause of chronic liver disorder mimicking non-alchoholic fatty liver disease(シトリン欠損症では非アルコール性脂肪性肝疾患類似の病態を呈する)

(論文内容の要旨)【背景と目的】シトリン欠損症(CD)はSLC25A13遺伝子の変異に起因し, 新生児肝内胆汁鬱滞(NICCD)や成人発症2型シトルリン血症(CTLN2)の原因となり, 高アンモニア血症による精神神経症状が出現すると重篤となり死に至る患者もいる. また脳症発現前から脂肪肝や脂肪性肝炎を合併することが報告されているが, その臨床像は未だ明らかではない. 当科において非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と診断したが, 10年後に高アンモニア血症を認めCTLN2と診断された患者を経験した. 本研究ではシトリン欠損症に伴う脂肪性肝疾患の特徴を明らかにすることを目的とした. 【対象と...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 57; no. 5; pp. 173 - 174
Main Author 小松通治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2009
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Summary:(論文内容の要旨)【背景と目的】シトリン欠損症(CD)はSLC25A13遺伝子の変異に起因し, 新生児肝内胆汁鬱滞(NICCD)や成人発症2型シトルリン血症(CTLN2)の原因となり, 高アンモニア血症による精神神経症状が出現すると重篤となり死に至る患者もいる. また脳症発現前から脂肪肝や脂肪性肝炎を合併することが報告されているが, その臨床像は未だ明らかではない. 当科において非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と診断したが, 10年後に高アンモニア血症を認めCTLN2と診断された患者を経験した. 本研究ではシトリン欠損症に伴う脂肪性肝疾患の特徴を明らかにすることを目的とした. 【対象と方法】1979~2007年に当院へ入院した19名のCD患者(男性11名, 女性9名)を対象とし, 身長・体重などの理学所見, 偏食傾向・膵炎などの既往歴, 血液生化学検査所見を解析した. また, 肝組織の得られた14名については組織学的所見も解析対象とした. 比較対照群としてSLC25A13遺伝子変異の無いNAFLD患者25名を選び比較検討した.
ISSN:0037-3826