肝疾患診療と病診連携

C型肝炎ウイルスが発見されて20年が経過しましたが, これまで難しいとされていたC型慢性肝炎の治療が, 最近, ようやく手応えのあるものになってきました. このウイルスは血液を介して感染するため, 過去の医療行為による感染が多く, 輸血や血液製剤による感染はその代表とされています. この中で, フィブリノーゲン製剤や非加熱血液凝固第8・9因子製剤による感染は薬害C型肝炎と呼ばれ, 社会問題となっています. 最近, B型やC型肝炎などのウイルス肝炎診療では幅広い病診連携の必要性が強調されています. この病診連携体制を構築するため, 信州大学医学部附属病院は平成20年10月1日に長野県における肝疾...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 57; no. 4; pp. 125 - 126
Main Author 田中榮司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2009
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Summary:C型肝炎ウイルスが発見されて20年が経過しましたが, これまで難しいとされていたC型慢性肝炎の治療が, 最近, ようやく手応えのあるものになってきました. このウイルスは血液を介して感染するため, 過去の医療行為による感染が多く, 輸血や血液製剤による感染はその代表とされています. この中で, フィブリノーゲン製剤や非加熱血液凝固第8・9因子製剤による感染は薬害C型肝炎と呼ばれ, 社会問題となっています. 最近, B型やC型肝炎などのウイルス肝炎診療では幅広い病診連携の必要性が強調されています. この病診連携体制を構築するため, 信州大学医学部附属病院は平成20年10月1日に長野県における肝疾患診療連携拠点病院の指定を受け, さらに, これに基づく肝疾患診療相談センターを開設しました. 肝疾患診療連携拠点病院はウイルス肝炎診療における良質かつ適切な医療を提供するための病診連携体制の中心的な役割を果たすものであり, 今後のウイルス肝炎の診療に重要な意味を持ちます.
ISSN:0037-3826