4 経第4脳室底アプローチ手術における顔面神経・下位脳神経MEPの有用性について

脳神経外科手術における顔面神経や下位脳神経の術中電気生理学的検査として, 大脳刺激での各種脳神経の運動誘発電位(MEP)モニタリングは術中定量性評価が可能である. 後頭蓋窩手術では1次運動野への脳表電極の設置が困難で, 頭皮電極では滑走電流による影響が大きくなり計測が困難になるため, 我々はステンレスねじ込み電極を1次運動野上の頭蓋骨に設置した頭蓋骨刺激による測定を行っている. 脳表電極より設置が容易で, 頭皮電極より刺激強度も低く, 良好なモニタリング環境を構築することができる. 当院で経第4脳室底アプローチ手術を施行した最近の3例で, 術中経頭蓋刺激による顔面神経・下位脳神経MEPを施行し...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 57; no. 3; p. 115
Main Authors 村岡尚, 後藤哲哉, 本郷一博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2009
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Summary:脳神経外科手術における顔面神経や下位脳神経の術中電気生理学的検査として, 大脳刺激での各種脳神経の運動誘発電位(MEP)モニタリングは術中定量性評価が可能である. 後頭蓋窩手術では1次運動野への脳表電極の設置が困難で, 頭皮電極では滑走電流による影響が大きくなり計測が困難になるため, 我々はステンレスねじ込み電極を1次運動野上の頭蓋骨に設置した頭蓋骨刺激による測定を行っている. 脳表電極より設置が容易で, 頭皮電極より刺激強度も低く, 良好なモニタリング環境を構築することができる. 当院で経第4脳室底アプローチ手術を施行した最近の3例で, 術中経頭蓋刺激による顔面神経・下位脳神経MEPを施行した. 2例は海綿状血管腫, 1例は悪性リンパ腫で, ABRやSEPと共にマルチモニタリングを施行した. 術中操作でMEPの振幅が一過性に低下したが, 3例とも術後, 各種脳神経障害の悪化は認めなかった. これら3症例を呈示し, その有効性と問題点について考察した.
ISSN:0037-3826