8 二期的手術が有効であった側脳室三角部AVMの1例

聖マリアンナ医科大学脳神経外科田中雄一郎症例は33歳男性, 2002年左側脳室三角部に最大径30mmのAVMを偶然発見された. 同年ガンマナイフを照射し, 定期的に経過観察を行っていたがナイダスの縮小がみられず, 2007年手術目的に当科紹介となった. 血管内治療は合併症の可能性から適応とならず, 直達手術にてナイダスの摘出が予定された. 若年で神経学的脱落所見を術前認めなかったため, 手術の目標は術後の神経脱落所見を最小とすることとした. interhemispheric approachとしたが, 底面のfeederの処置が困難であることから, 手術を2期にわけ, まずsubtempora...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 56; no. 3; p. 177
Main Authors 高沢彰, 石坂繁寿, 児玉邦彦, 佐々木哲郎, 後藤哲哉, 酒井圭一, 本郷一博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2008
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Summary:聖マリアンナ医科大学脳神経外科田中雄一郎症例は33歳男性, 2002年左側脳室三角部に最大径30mmのAVMを偶然発見された. 同年ガンマナイフを照射し, 定期的に経過観察を行っていたがナイダスの縮小がみられず, 2007年手術目的に当科紹介となった. 血管内治療は合併症の可能性から適応とならず, 直達手術にてナイダスの摘出が予定された. 若年で神経学的脱落所見を術前認めなかったため, 手術の目標は術後の神経脱落所見を最小とすることとした. interhemispheric approachとしたが, 底面のfeederの処置が困難であることから, 手術を2期にわけ, まずsubtemporal approachによる後脈絡叢動脈の処置を行うこととした. 2期的手術は予定通り施行され, 術後の脱落所見はわずかな高次脳機能障害のみであった. 患者はリハビリテーションにて徐々に障害は改善傾向であり, 復職も果たしている. 文献的考察をふまえ, 本手術戦略の有用性について述べる.
ISSN:0037-3826