イヌ顔面静脈の特定部位におけるノルアドレナリン誘発性血管平滑筋弛緩 : 頭蓋顔面における血液循環との関連

(論文の内容の要旨) [背景・目的]顔面静脈の枝は複雑なネットワークを形成しており, 特に, 頬部を走行する部位の緊張性は, 鼻腔からの静脈還流路を変化させることによって, 脳の冷却と密接に関係することが知られている. 今回我々は, 顔面からの静脈還流の調節機構を解明するために, 顔面静脈枝のネットワークにおける各部位の収縮弛緩特性について検討した. [方法]実験にはイヌ顔面静脈枝を用い, 摘出後幅4mmの円筒状標本を作製した. これを37℃, pH7.4に維持した保生液で灌流された臓器槽内に装着し基本張力0.5gを負荷した後, 等尺性に張力を測定した. [結果・考察]頬部を走行する顔面静脈枝...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in信州医学雑誌 Vol. 55; no. 6; pp. 367 - 368
Main Author 林雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2007
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:(論文の内容の要旨) [背景・目的]顔面静脈の枝は複雑なネットワークを形成しており, 特に, 頬部を走行する部位の緊張性は, 鼻腔からの静脈還流路を変化させることによって, 脳の冷却と密接に関係することが知られている. 今回我々は, 顔面からの静脈還流の調節機構を解明するために, 顔面静脈枝のネットワークにおける各部位の収縮弛緩特性について検討した. [方法]実験にはイヌ顔面静脈枝を用い, 摘出後幅4mmの円筒状標本を作製した. これを37℃, pH7.4に維持した保生液で灌流された臓器槽内に装着し基本張力0.5gを負荷した後, 等尺性に張力を測定した. [結果・考察]頬部を走行する顔面静脈枝では多くの場合筋原性の張力と自発性の収縮とが認められたが, 頬部以外ではほとんど観察されなかった. これらの標本にノルアドレナリン(10-8-10-4M)を負荷すると, 頬部を走行する顔面静脈枝は用量依存的な弛緩反応を惹起した.
ISSN:0037-3826