10 有痛性骨転移に対する8Gy1回照射の有用性

悪性腫瘍の有痛性骨転移に対し, 疼痛軽減目的で放射線治療8Gy1回照射を行った症例の疼痛軽減効果および有害事象について検討した. 1993年から2005年に信州大学放射線科で有痛性骨転移に対し8Gy1回照射を施行した17症例(24部位)を検討対象とした. 原発部位は肺が4例, 乳腺が3例, 消化器が3例, その他が7例であり, 照射部位は椎体が8部位, 骨盤が7部位, 長管骨が6部位, 肋骨が3部位であった. 治療後7部位で疼痛が完全消失し, 11部位で軽減した. 6部位で不変あるいは増悪した. Grade3以上の急性有害事象は認めなかった. 照射後に骨折を生じたのは4部位, 疼痛増悪に伴う再...

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Published in信州医学雑誌 Vol. 54; no. 3; p. 168
Main Authors 小岩井慶一郎, 佐々木茂, 鹿間直人, 角谷眞澄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 信州医学会 2006
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Summary:悪性腫瘍の有痛性骨転移に対し, 疼痛軽減目的で放射線治療8Gy1回照射を行った症例の疼痛軽減効果および有害事象について検討した. 1993年から2005年に信州大学放射線科で有痛性骨転移に対し8Gy1回照射を施行した17症例(24部位)を検討対象とした. 原発部位は肺が4例, 乳腺が3例, 消化器が3例, その他が7例であり, 照射部位は椎体が8部位, 骨盤が7部位, 長管骨が6部位, 肋骨が3部位であった. 治療後7部位で疼痛が完全消失し, 11部位で軽減した. 6部位で不変あるいは増悪した. Grade3以上の急性有害事象は認めなかった. 照射後に骨折を生じたのは4部位, 疼痛増悪に伴う再照射は3部位であった. 有痛性骨転移に対する8Gy1回照射は有害反応も少なく, 分割照射と同程度の疼痛軽減効果が得られた.
ISSN:0037-3826