10. 専門的口腔ケアが口腔機能に与える効果-特に舌の立体認知能について

我々は口腔に含んだテストピースの形状を判断させる方法で, 舌の立体認知能を調査し, 加齢によって舌の立体認知能が低下することを明らかにしてきた. 今回, 健常な高齢者を対象に専門的口腔ケアが舌の立体認知能に与える効果について検討した. 九歯大総合科学, 小倉歯科医師会, 福岡県歯科衛生士会北支部が連携し, ブラッシングの方法や歯数, 歯周疾患の有無など口腔の状態を検査するともに, 舌の立体認知能に加えて, 反復唾液嚥下, 咬合力, 咀嚼力, 唾液の性状についても検査を行い, 専門的口腔ケアの口腔機能への影響について総合的に調査した. 調査では, 隔週, 3ヶ月間, 「お口の健康教室」を開催し,...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 63; no. 3; pp. 147 - 148
Main Authors 河岸重則, 久保哲郎, 樗木洋子, 吉野賢一, 田中敏子, 中野充
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 2009
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Summary:我々は口腔に含んだテストピースの形状を判断させる方法で, 舌の立体認知能を調査し, 加齢によって舌の立体認知能が低下することを明らかにしてきた. 今回, 健常な高齢者を対象に専門的口腔ケアが舌の立体認知能に与える効果について検討した. 九歯大総合科学, 小倉歯科医師会, 福岡県歯科衛生士会北支部が連携し, ブラッシングの方法や歯数, 歯周疾患の有無など口腔の状態を検査するともに, 舌の立体認知能に加えて, 反復唾液嚥下, 咬合力, 咀嚼力, 唾液の性状についても検査を行い, 専門的口腔ケアの口腔機能への影響について総合的に調査した. 調査では, 隔週, 3ヶ月間, 「お口の健康教室」を開催し, 専門的口腔ケアに関する指導を行い, 指導開始前と3ヶ月終了後の口腔機能を比較した. 舌の立体認知能検査は形状の異なる6個のテストピースを用いて行った. 被験者14名(平均年齢78.9歳)のうち6名は開始前, 6個全てを正答し, 3ヵ月後もそれが維持されていた. 開始前にいくつか誤って回答した被験者9名については, 7名は正答率が上昇し, 2名は低下していた. 舌の立体認知能以外の機能には変化は見られなかった.
ISSN:0368-6833