歯周組織の創傷治癒におよぼす多血小板血漿の影響‐エムドゲイン療法との比較

イヌのP2, P3に実験的歯周炎を惹起させ, 多血小板血漿(PRP)の単独応用が歯周組織におよぼす影響を, 歯肉剥離掻爬術(FOP)とエナメルマトリックスデリバティブ(EMD)の応用にて比較検討した. ビーグル成犬6頭の左右P2, P3に1壁性骨欠損を作製し, 実験的歯周炎を惹起させた. P2においてFOPとPRPの比較を, P3においてEmdogain(R)Gel塗布とPRPの比較を行った. 歯周外科手術時, 6週, 8週, 10週, 12週目にPPD, PAL, TM, GCFの測定とX線撮影を行い, 実験終了後, 病理組織学的に観察した. FOP群とPRP群のTMとGCFは, PRP群の...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 59; no. 3; p. 123
Main Author 天野めぐみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 2005
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Summary:イヌのP2, P3に実験的歯周炎を惹起させ, 多血小板血漿(PRP)の単独応用が歯周組織におよぼす影響を, 歯肉剥離掻爬術(FOP)とエナメルマトリックスデリバティブ(EMD)の応用にて比較検討した. ビーグル成犬6頭の左右P2, P3に1壁性骨欠損を作製し, 実験的歯周炎を惹起させた. P2においてFOPとPRPの比較を, P3においてEmdogain(R)Gel塗布とPRPの比較を行った. 歯周外科手術時, 6週, 8週, 10週, 12週目にPPD, PAL, TM, GCFの測定とX線撮影を行い, 実験終了後, 病理組織学的に観察した. FOP群とPRP群のTMとGCFは, PRP群の方が有意に改善を認め, EMD群とPRP群では, すべての臨床パラメータにおいて有意差を認めなかったが, 新生セメント質の形成はEMD群の方が有意に認めた. 1壁性骨欠損の実験的歯周炎におけるPRPの単独応用とEMDの応用は歯周組織再生療法としての有効性が低い可能性があることが示唆された.
ISSN:0368-6833