Substance Pはヒト単球から破骨細胞への分化を促進する
破骨細胞は単球/マクロファージ系の血液幹細胞から形成される多核の巨細胞で骨を吸収する. 破骨細胞の前駆細胞はreceptor activator of neuclear factor kappa B(RANK)を持ち, マクロファージコロニー刺激因子(macrophage colony stimulating factor;M-CSF)の存在下でRANK ligand(RANKL)を認識し破骨細胞へと分化する. この研究の目的はRANKLとM-CSFの存在下でヒト末梢血単球(peripheral blood monocytes;PBMC)から破骨細胞への形成過程で神経ペプチドSubstance...
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Published in | 九州歯科学会雑誌 Vol. 59; no. 3; pp. 122 - 123 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州歯科学会
2005
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Summary: | 破骨細胞は単球/マクロファージ系の血液幹細胞から形成される多核の巨細胞で骨を吸収する. 破骨細胞の前駆細胞はreceptor activator of neuclear factor kappa B(RANK)を持ち, マクロファージコロニー刺激因子(macrophage colony stimulating factor;M-CSF)の存在下でRANK ligand(RANKL)を認識し破骨細胞へと分化する. この研究の目的はRANKLとM-CSFの存在下でヒト末梢血単球(peripheral blood monocytes;PBMC)から破骨細胞への形成過程で神経ペプチドSubstance P(SP)がどのように影響するのかを調べることである. NK1-Rに対する特異抗体を用いた免疫蛍光染色により, PBMCには小さな斑点状にNK1-Rの局在が示された. 10%の牛胎仔血清および1,25(OH)2D3, M-CSF, RANKLを含む培養液でPBMCを培養すると2週間で単核のTRAP(+)細胞ならびに破骨細胞であるTRAP(+)多核細胞を形成した. 10-8~10-10M SP添加により単核のTRAP(+)細胞ならびにTRAP(+)多核細胞数の増加が認められた. このSPによる単核のTRAP(+)細胞ならびにTRAP(+)多核細胞数の増加はSPアンタゴニストであるspantideならびにNK1-RアンタゴニストであるFK224の添加により抑制された. これらの結果によりNK1-Rを介してSPはPBMCからのTRAP陽性単核細胞(破骨細胞前駆細胞)の形成を促進し, TRAP陽性多核細胞である破骨細胞の形成を促進することが示唆された. |
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ISSN: | 0368-6833 |