Actinobacillus actinomycetemcomitansに感染したマクロファージのアポトーシスにおけるミトコンドリアからのシトクロムCの放出を介したカスパーゼ活性化の関与

マウスマクロファージ細胞J774.1に歯周病細菌であるA. actinomycetemcomitansを感染させるとアポトーシスが引き起こされる. この事実は, 歯周炎の発症と進行に深く関わっている可能性が高いが, その調節機構はいまだ解明されていない. そこで我々は, 感染J774.1細胞のアポトーシス誘導における細胞内の様々なシグナル分子について解析を行った. その結果, J774.1において感染30時間後, sub-G1期の上昇が確認された. また, p53のSer15のリン酸化が認められ, ミトコンドリアから細胞質内へのシトクロムcの放出や, Caspase-9とCaspase-3の活...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 58; no. 2; pp. 60 - 61
Main Author 笠井宏記
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 2004
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ISSN0368-6833

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Summary:マウスマクロファージ細胞J774.1に歯周病細菌であるA. actinomycetemcomitansを感染させるとアポトーシスが引き起こされる. この事実は, 歯周炎の発症と進行に深く関わっている可能性が高いが, その調節機構はいまだ解明されていない. そこで我々は, 感染J774.1細胞のアポトーシス誘導における細胞内の様々なシグナル分子について解析を行った. その結果, J774.1において感染30時間後, sub-G1期の上昇が確認された. また, p53のSer15のリン酸化が認められ, ミトコンドリアから細胞質内へのシトクロムcの放出や, Caspase-9とCaspase-3の活性化が検出された. A. actinomycetemcomitansに感染したJ774.1細胞のアポトーシスには, p53の活性化やCaspase-9を介した系が関与していることが明らかとなった.
ISSN:0368-6833