東大病院における退院支援-逆紹介システム・退院支援システム・在宅医療コーディネーターの有用性

東京大学附属病院では, 患者家族に満足感を与える円滑な早期退院を促すため, 院内各診療科部門および地域の関係諸機関施設との連絡調整を行い, 退院援助病病連携病診連携を行う部門として, 医療社会福祉部を設置した. 医療社会福祉部は, 診療科から独立した中央診療部門として, 患者が適切なケアを適切な場で受けられるように, 退院援助を行ってきた. 入院患者およびその患者に, 退院後の医療保健福祉に関する様々な問題を, 予め見当し, 患者毎に適切なケアマネージメントを, 実施し円滑な早期退院を行い, 医療資源の有効活用に寄与する部として期待されている. 訪問看護ステーションとのコーディネーションを行う...

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Published in医療マネジメント学会雑誌 Vol. 1; no. 2; pp. 160 - 161
Main Author 田城孝雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療マネジメント学会 2000
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ISSN1345-6903

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Summary:東京大学附属病院では, 患者家族に満足感を与える円滑な早期退院を促すため, 院内各診療科部門および地域の関係諸機関施設との連絡調整を行い, 退院援助病病連携病診連携を行う部門として, 医療社会福祉部を設置した. 医療社会福祉部は, 診療科から独立した中央診療部門として, 患者が適切なケアを適切な場で受けられるように, 退院援助を行ってきた. 入院患者およびその患者に, 退院後の医療保健福祉に関する様々な問題を, 予め見当し, 患者毎に適切なケアマネージメントを, 実施し円滑な早期退院を行い, 医療資源の有効活用に寄与する部として期待されている. 訪問看護ステーションとのコーディネーションを行う専任の看護婦長(在宅医療コーディネーター)を当部に置くことにより, 在宅医療への移行が推進された. 以前であれば, 在宅療養の希望はあるが, 不安もあり在宅療養を躊躇して, 入院療養を継続していた症例に対し, 訪問看護ステーションとのコーディネーションの経験を重ねた専任の看護婦長が, 患者家族の意向をくみ, さらに良く説明する事により退院に伴う不安を取り除き, 訪問看護婦による在宅ハイテクケアを利用した在宅療養への意欲を尊重することが出来た. これにより在宅医療へ移行する症例が増えたと言える. また, 主治医や病棟看護婦も, 在宅医療の可能性へ理解を示し, 患者家族の在宅療養への強い意志を尊重するようになった.
ISSN:1345-6903