次世代の循環制御と麻酔管理にむけて

電子麻酔記録システムが導入されて, 麻酔中の時系列データの蓄積量が次第に増えてきた. 今や数年分が蓄積され, ものによっては単一施設ながら数万件のデータがある時代になった. またこれらのデータから種々の検索用語でデータを切り出すこともできる様になって, あらゆる角度から興味のあるデータの抽出が可能になってきた. ビッグデータと言ってもよいものかも知れない. そうなると感覚的に行っていたこれまでの臨床業務に有力なエビデンスを提供できるようにもなろう. もちろん前向きのRCT研究とは質が違うが, それでも従来, 数十例の規模で行っていた臨床研究とは比較にならない母数による結論を導けることが心強い....

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Published in循環制御 Vol. 40; no. 1; p. 1
Main Author 河本昌志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 10.05.2019
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ISSN0389-1844

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Summary:電子麻酔記録システムが導入されて, 麻酔中の時系列データの蓄積量が次第に増えてきた. 今や数年分が蓄積され, ものによっては単一施設ながら数万件のデータがある時代になった. またこれらのデータから種々の検索用語でデータを切り出すこともできる様になって, あらゆる角度から興味のあるデータの抽出が可能になってきた. ビッグデータと言ってもよいものかも知れない. そうなると感覚的に行っていたこれまでの臨床業務に有力なエビデンスを提供できるようにもなろう. もちろん前向きのRCT研究とは質が違うが, それでも従来, 数十例の規模で行っていた臨床研究とは比較にならない母数による結論を導けることが心強い. こうしたデータをうまく活用できれば臨床麻酔の質は明らかに向上する.
ISSN:0389-1844