3. 第4脳室上衣腫の1例
症例は6歳男児. 2003年6月中旬より活動性低下, 食欲不振. 7/4強い頭痛, 吐き気, 全身性強直性けいれんのため救急車で来院. 入院時意識ほぼ清明, 強い頭痛と吐き気を訴える. 左右への水平性眼振 おきあがろうとすると吐き気. 頭部CT/MRI第4脳室を充満し上方は中脳水道, 下はC1 左Lushkaから左CPAに進展する縦65mm横40mm前後30mmの不規則な造影効果がある腫瘍. テント上の閉塞性水頭症あり. 脳血管撮影では軽度のstainあり. 閉塞性水頭症に対し入院後緊急でオマヤリザーバー設置術施行(初圧520mmH2O). 7/17後頭下開頭, 第4脳室腫瘍摘出術 自発呼吸モ...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 59; no. 3; p. 290 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
2009
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Summary: | 症例は6歳男児. 2003年6月中旬より活動性低下, 食欲不振. 7/4強い頭痛, 吐き気, 全身性強直性けいれんのため救急車で来院. 入院時意識ほぼ清明, 強い頭痛と吐き気を訴える. 左右への水平性眼振 おきあがろうとすると吐き気. 頭部CT/MRI第4脳室を充満し上方は中脳水道, 下はC1 左Lushkaから左CPAに進展する縦65mm横40mm前後30mmの不規則な造影効果がある腫瘍. テント上の閉塞性水頭症あり. 脳血管撮影では軽度のstainあり. 閉塞性水頭症に対し入院後緊急でオマヤリザーバー設置術施行(初圧520mmH2O). 7/17後頭下開頭, 第4脳室腫瘍摘出術 自発呼吸モニター下(何度か自発呼吸停止あり)第4脳室上半部は摘出, C1内も摘出, 第4脳室底部に1層と延髄左に残存腫瘍少量あり. 病理所見ではEpendymoma with focal anaplasiaクロマチンに富む腫瘍細胞が増殖. 核の大小不同あり, 核分裂像なし. 欠陥周囲性ロゼット形成あり, 部分的に細胞密度高く, 内皮の腫大した血管増生と広範な壊死像(+). MIB-1部分的に高い部分あり. 化学療法 照射前後PE療法, 全脳室40Gy+局所Boost 16Gy(Total 56Gy)の放射線治療を行い, 残存腫瘍は第4脳室内と延髄左に認められる. 歩行自立, 日常生活の不自由なし. ごく軽度の失調のみを残し9月29日退院. 化学療法を1-2ヶ月おきに繰り返し行っていたが, MRIで腫瘍はやや増大傾向であったため. 2004年1月21日第2回腫瘍摘出術施行. 腫瘍は亜全摘され, 被膜を残した(Ependymoma, 部分的にMIB-1は高値で7-8%, 前回同様の病理所見). その後は維持療法として化学療法を行っている. 最終術後2年半になるが現在のところ再発の徴候を認めない. 神経学的にほとんど失調も含め明らかな異常所見を認めないが, 現在小学校3年生で体育で走ることが遅い, 軽度学業困難のため特殊学級に通学中. 最近両親は離婚. |
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ISSN: | 1343-2826 |