3. 当院における指骨骨折の保存的加療の現状について

2007年1月~2008年9月における当科での指骨骨折(手関節, 舟状骨は除く閉鎖性骨折)受傷の現状と治療方法について報告し代表症例を供覧いたします. 対象は2007年1月~2008年6月において当科で加療した計144人(男性94人, 女性50人)です. 方法は受傷部位, 受傷形態, 治療方法(手術療法or保存療法)を分類し比較検討しました. 骨折受傷部位頻度では末節骨骨折が比較的多い結果でした. 末節骨骨折受傷形態では骨性槌指症例が最も多く約9割の症例が手術加療されておりました. 中節骨骨折では基部骨折の頻度が多くその受傷形態ではvolar plate付着部骨折が半数を占め, 全例保存的に加...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 59; no. 3; p. 287
Main Authors 田鹿毅, 後藤渉, 中島一郎, 長谷川仁, 澁澤一行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2009
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Summary:2007年1月~2008年9月における当科での指骨骨折(手関節, 舟状骨は除く閉鎖性骨折)受傷の現状と治療方法について報告し代表症例を供覧いたします. 対象は2007年1月~2008年6月において当科で加療した計144人(男性94人, 女性50人)です. 方法は受傷部位, 受傷形態, 治療方法(手術療法or保存療法)を分類し比較検討しました. 骨折受傷部位頻度では末節骨骨折が比較的多い結果でした. 末節骨骨折受傷形態では骨性槌指症例が最も多く約9割の症例が手術加療されておりました. 中節骨骨折では基部骨折の頻度が多くその受傷形態ではvolar plate付着部骨折が半数を占め, 全例保存的に加療されておりました. 基節骨骨折では基部骨折が基節骨骨折症例の7割を占めておりました. 基部骨折症例の7割が保存的に加療されておりました. 中手骨骨折は骨頭部, 頸部骨折症例においては全例保存的に加療されておりました. 手根骨骨折は有鈎骨骨折の単独もしくは有頭骨骨折合併症例でありました. 全例CM脱臼骨折を呈しており手術加療を行いました. 末節骨骨折, 中節骨骨折の保存的加療においては主にプライトンシーネを用いておりました. 基節骨骨折, 中手骨骨折の保存的加療においては主にギプス(早期運動可能)を用いておりました. 保存的加療は骨折部整復位をいかに維持するかがポイントと思われました.
ISSN:1343-2826