8. CT-リンパ管造影によるセンチネルリンパ節同定

乳癌手術におけるセンチネルリンパ節(以下SLN)の同定率は, 色素法とRI法を併用する方法が最も高いとされている. しかし, RIが使用できない施設では, 色素法のみで行わざるをえない. 今回, もうひとつのSLN同定法として, CT-リンパ管造影を試みたので報告する. 方法)丹黒らの方法に準じた. 術前に, 乳輪皮内にCT用造影剤2.5ccを注射し, 15分後, MD-CTで撮像した. 撮像後ただちにモニターにて, リンパ管の流れを読み, リンパ節への流入を観察した. そのリンパ節はSLNと考えられるので, その位置を体表にマークしておいた. 手術室で, 通常の色素法(インディゴカルミン5c...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 59; no. 1; p. 81
Main Authors 高橋孝郎, 丸山正董, 大畑昌彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2009
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Summary:乳癌手術におけるセンチネルリンパ節(以下SLN)の同定率は, 色素法とRI法を併用する方法が最も高いとされている. しかし, RIが使用できない施設では, 色素法のみで行わざるをえない. 今回, もうひとつのSLN同定法として, CT-リンパ管造影を試みたので報告する. 方法)丹黒らの方法に準じた. 術前に, 乳輪皮内にCT用造影剤2.5ccを注射し, 15分後, MD-CTで撮像した. 撮像後ただちにモニターにて, リンパ管の流れを読み, リンパ節への流入を観察した. そのリンパ節はSLNと考えられるので, その位置を体表にマークしておいた. 手術室で, 通常の色素法(インディゴカルミン5ccを乳輪皮内に注射)を行い, CT-リンパ管造影で得た結果を参考にしてSLN生検を行った. 結果)3例に行った. いずれの症例もCT-リンパ管造影でSLNが画像上同定できた. 生検時は, あらかじめ画像での情報があるので, 色素のみに頼ってリンパ節を探すよりはるかに容易であり, 本法は有用であると思われた.
ISSN:1343-2826