1. マクロファージ活性化症候群を繰り返している若年性特発性関節炎の一例

若年性特発性関節炎(JIA)にマクロファージ活性化症候群(MAS)を合併することはよく知られている. 今回われわれはMASを繰り返したJIAの症例を経験し, 病態に関与すると考えられるサイトカイン・遺伝子検査を実施したので報告する. 症例は6歳の男児. 2歳時に前医でJIAと診断され, 4歳時から当院にて治療を受けていた. 4歳11ヵ月時にMASを発症し, 血漿交換, 免疫抑制剤, ステロイド剤等にて治療を受けた. その後, 免疫抑制剤を内服していたが, 5歳9ヵ月, 6歳6ヵ月, 6歳11ヵ月時にMASを発症した. MASの発症を疑った時点でステロイドを増量することでMASの重症化は避けられ...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 4; p. 429
Main Authors 山岸俊介, 朴明子, 嶋田明, 外松学, 林泰秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2008
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Summary:若年性特発性関節炎(JIA)にマクロファージ活性化症候群(MAS)を合併することはよく知られている. 今回われわれはMASを繰り返したJIAの症例を経験し, 病態に関与すると考えられるサイトカイン・遺伝子検査を実施したので報告する. 症例は6歳の男児. 2歳時に前医でJIAと診断され, 4歳時から当院にて治療を受けていた. 4歳11ヵ月時にMASを発症し, 血漿交換, 免疫抑制剤, ステロイド剤等にて治療を受けた. その後, 免疫抑制剤を内服していたが, 5歳9ヵ月, 6歳6ヵ月, 6歳11ヵ月時にMASを発症した. MASの発症を疑った時点でステロイドを増量することでMASの重症化は避けられるようになった. 経過中に実施した検査ではTNF-α, IL-6等の各種サイトカイン上昇が確認された. また, NK細胞活性低下も認められたが, PRF1, SAP, MUNC13-4等の遺伝子には異常が認められなかった.
ISSN:1343-2826