19. 造影剤による広節裂頭条虫の駆除の実際

【症例】28歳女性. 2007年9月頃, サケの刺身の摂取歴があり. 11月初旬より腹部膨満感が出現. 11月下旬の朝, 腹痛出現とともに排便時に紐状の虫体を認めたため当院受診となった. 虫体の性状より条虫症と診断. 条虫の駆除方法としてはブラジカンテルによるものとガストログラフィンによるものが知られているが, ブラジカンテルが当院に常備していなかったことと, 早期駆除を希望したことから患者に十分に説明をした上でガストログラフィンによる駆除を行った. 実際に駆除される様子を動画にて記録したので提示する. 虫体排泄後, 検査室にて頭部を確認. 広節裂頭条虫と診断した. 【考察】近年, 食品流通の...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 2; p. 276
Main Authors 月田真祐子, 佐川俊彦, 齋藤秀一, 新井弘隆, 矢内有紀, 橋爪真之, 森一世, 樋口達也, 高山尚, 茂木陽子, 小林克巳, 坂元一郎, 田中俊行, 富澤直樹, 安東立正, 小川哲史, 阿部毅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2008
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Summary:【症例】28歳女性. 2007年9月頃, サケの刺身の摂取歴があり. 11月初旬より腹部膨満感が出現. 11月下旬の朝, 腹痛出現とともに排便時に紐状の虫体を認めたため当院受診となった. 虫体の性状より条虫症と診断. 条虫の駆除方法としてはブラジカンテルによるものとガストログラフィンによるものが知られているが, ブラジカンテルが当院に常備していなかったことと, 早期駆除を希望したことから患者に十分に説明をした上でガストログラフィンによる駆除を行った. 実際に駆除される様子を動画にて記録したので提示する. 虫体排泄後, 検査室にて頭部を確認. 広節裂頭条虫と診断した. 【考察】近年, 食品流通の多様化や調理法の変化によって寄生虫疾患が増加傾向にある. 条虫の駆除薬として知られるブラジカンテルであるが, 常備している施設は少ない. しかしガストログラフィンは常備していることが多く, その駆除方法は比較的安全で, 瀉下作用も備え虫体破壊なく頭部を確認できる有効なものであることが知られている. 今回, ガストログラフィンにて実際に駆除される条虫の様子を記録できたため, 文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1343-2826