10. センチネルリンパ節生検(腋窩非郭清)後腋窩再発症例の検討

Sentinel node(SN)生検は早期乳癌の標準手術となり, SN転移陰性例に腋窩郭清省略が行われるようになった. 今回, SN生検陰性で腋窩郭清が省略され, その後腋窩再発が認められた症例の臨床病理学的特徴を検討した. 1999年1月~2005年12月に手術が施行され, Sentinel node(SN)生検陰性のため腋窩郭清が省略された片側性浸潤性乳癌1028例のうち, 腋窩再発が認められた7例(0.7%)を対象とした. 観察期間中央値は37(2~94)ヶ月, 手術から腋窩再発までの期間中央値は21(7~79)ヶ月であった. 腋窩再発7例の臨床病理学的因子は, 平均年齢:59(42~...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 58; no. 1; p. 111
Main Authors 吉田崇, 武井寛幸, 二宮淳, 萩原靖崇, 上村万里, 林祐二, 黒住昌史, 下岡華子, 河野輪香織, 井上賢一, 田部井敏夫, 末益公人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2008
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:Sentinel node(SN)生検は早期乳癌の標準手術となり, SN転移陰性例に腋窩郭清省略が行われるようになった. 今回, SN生検陰性で腋窩郭清が省略され, その後腋窩再発が認められた症例の臨床病理学的特徴を検討した. 1999年1月~2005年12月に手術が施行され, Sentinel node(SN)生検陰性のため腋窩郭清が省略された片側性浸潤性乳癌1028例のうち, 腋窩再発が認められた7例(0.7%)を対象とした. 観察期間中央値は37(2~94)ヶ月, 手術から腋窩再発までの期間中央値は21(7~79)ヶ月であった. 腋窩再発7例の臨床病理学的因子は, 平均年齢:59(42~72)歳, 平均腫瘍径:29(12~46)mm, 平均SN個数:1.9(1~3)個, 核グレード2:1例, 3:6例, ER陽性/PR陽性:1例, ER陽性/PR陰性:2例, ER陰性/PR陰性:4例, 乳房温存術:6例, 乳房切除術:1例, 術後照射あり:2例, 術後照射なし:5例, 術後ホルモン療法単独:4例, 術後化学療法単独:1例, 術後補助療法なし:2例であった. 腋窩再発に影響する因子は, 比例ハザードモデルによると, 核グレード, PR, 放射線治療であった.
ISSN:1343-2826