1.大腿骨頸部内側骨折に対するmuscle-pedicle-bone graftの治療経験

「はじめに」青壮年期の大腿骨頸部内側骨折は, 治療に難渋することが多い. Judetらは1962年にmuscle-pedicle-bone graftの方法を紹介した. 1973年, Meyersらはこの方法に若干の改良を加え頸部後方骨欠損部に骨移植を併用する方法を報告した. 我々は60歳以下の頸部内側骨折の患者3例に対し本術式を施行したので報告する. 「手術方法」側臥位にて後側方より進入. 約3cm×1cm×1cm程度の大腿方形筋付musle-pedicle-boneを大腿骨より遊離する. 次関節包を切開して骨折部に達し, 解剖学的に整復してイメージ下に内固定する. その後, 頸部後方骨折部...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 57; no. 3; p. 278
Main Authors 朝雲浩人, 木村雅史, 小林保一, 滝正徳, 佐藤直樹, 萩原敬一, 生越敦子, 江黒美栄子, 高岸憲二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2007
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Summary:「はじめに」青壮年期の大腿骨頸部内側骨折は, 治療に難渋することが多い. Judetらは1962年にmuscle-pedicle-bone graftの方法を紹介した. 1973年, Meyersらはこの方法に若干の改良を加え頸部後方骨欠損部に骨移植を併用する方法を報告した. 我々は60歳以下の頸部内側骨折の患者3例に対し本術式を施行したので報告する. 「手術方法」側臥位にて後側方より進入. 約3cm×1cm×1cm程度の大腿方形筋付musle-pedicle-boneを大腿骨より遊離する. 次関節包を切開して骨折部に達し, 解剖学的に整復してイメージ下に内固定する. その後, 頸部後方骨折部に骨片を固定する. [症例]37歳男性, 冷蔵庫を搬送中に転倒. 内側骨折[転位型]術後9ヶ月の経過観察で骨癒合を得た. 46歳男性, 初診の1ヶ月前より右股関節痛があり来院. 内側骨折[転位型]術後2年3ヶ月の経過観察で骨頭壊死, late segmental collapseを認めない. 60歳女性, 転倒して受傷. 内側骨折[転位型]本術式を施行するが術後転位し, 人工骨頭置換術を施行した. 「結語」本術式は青壮年期の大腿骨頸部内側骨折に対して有効な術式であると思われる.
ISSN:1343-2826