5.県立小児医療センターで治療した乳児マススクリーニング陽性神経芽腫の臨床的検討

対象は乳児神経芽腫マススクリーニングにて発見され, 当センターにて治療を行った64例である. 男女比は1:1で, 理学所見陽性例は10例(腹部腫瘤9, 背部腫瘤1)であった. 原発巣は副腎40, 後腹膜15, 縦隔9であった. 経過観察した4例を除いた症例の病期はI期21例, II期19例, III期8例, IV A期3例, IV B期4例, IV S期5例で, それぞれの病期における治療(一期手術)の症例は21, 18, 7, 1, 3, 5例であった. また, 化学療法が併用された比率はそれぞれ19, 53, 68, 100, 100, 60%であった. 摘出腫瘍のMYCN増幅はIV Aの...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 57; no. 1; p. 82
Main Authors 黒岩実, 鈴木則夫, 坂元純, 鈴木信, 土田嘉昭, 嶋田明, 設楽利二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2007
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Summary:対象は乳児神経芽腫マススクリーニングにて発見され, 当センターにて治療を行った64例である. 男女比は1:1で, 理学所見陽性例は10例(腹部腫瘤9, 背部腫瘤1)であった. 原発巣は副腎40, 後腹膜15, 縦隔9であった. 経過観察した4例を除いた症例の病期はI期21例, II期19例, III期8例, IV A期3例, IV B期4例, IV S期5例で, それぞれの病期における治療(一期手術)の症例は21, 18, 7, 1, 3, 5例であった. また, 化学療法が併用された比率はそれぞれ19, 53, 68, 100, 100, 60%であった. 摘出腫瘍のMYCN増幅はIV Aの1例に見られたのみで, Shimada分類のunfavorableに分類される腫瘍はI期1例, II期2例, III期2例, IV期1例, IV S期0であった. 術後合併症はHorner徴候2例, 乳び腹水2例, 術後腸重積2例, 横隔神経麻痺1例, 腎機能不全1例であった. 再発はMYCNの増幅していたIV A期の1例に認めたが, 化学療法と放射線照射により完全寛解を得ている. 死亡例はなかった.
ISSN:1343-2826