1.一次スクリーニングから見た当院のNST活動の状況

【目的】当院における一次スクリーニングの現状を分析し課題を検討する. 【方法】全ての入院患者に対して, 各病棟の看護師が入院時に一次スクリーニングとして以下の栄養状態評価を行う. (1)Alb値3.0g/dl以下(2)嚥下障害(3)急激な体重減少またはBMI18. 5以下(4)禁食あるいは経口摂取不良と褥瘡の有無. これまでの一次スクリーニング状況を全て見直し, 現在の問題点と今後の課題について検討した. 【結果】Hl7年7月から9月までに一般病棟に入院した患者数は727名であった. (1)12名(1.6%)(2)16名(2.2%)(3)7名(1.0%)(4)62名(8.5%)【考察及び今後の...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 56; no. 2; p. 181
Main Authors 一戸 円, 大塚千里, 金井典子, 清水美穂, 嶋村洋子, 木暮玲子, 上田公子, 小池慈子, 蜂巣陽子, 橋田 哲, 竹沢二郎, 田子 修, 荻原 博, 内田信之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2006
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Summary:【目的】当院における一次スクリーニングの現状を分析し課題を検討する. 【方法】全ての入院患者に対して, 各病棟の看護師が入院時に一次スクリーニングとして以下の栄養状態評価を行う. (1)Alb値3.0g/dl以下(2)嚥下障害(3)急激な体重減少またはBMI18. 5以下(4)禁食あるいは経口摂取不良と褥瘡の有無. これまでの一次スクリーニング状況を全て見直し, 現在の問題点と今後の課題について検討した. 【結果】Hl7年7月から9月までに一般病棟に入院した患者数は727名であった. (1)12名(1.6%)(2)16名(2.2%)(3)7名(1.0%)(4)62名(8.5%)【考察及び今後の課題】Alb値については, 入院時ほとんどの患者で測定されており, 評価は容易であった. 嚥下障害については明確な基準がなく, 看護師の主観的判断により判定されていた. 無記入も多くあった. 9月より嚥下, 摂食チームが結成されたため, 今後は職員の共通した理解のもとに嚥下評価を行えると考える. 体重減少やBMIの評価については, 寝たきりの患者など身体計測の困難な例が多かった. 無記入も多くあった. 今後は身体計測の必要性を強調し, 設備を充実させる予定である. 禁食あるいは経口摂取不良患者は, 消化器疾患や脳梗塞, 誤嚥性肺炎, PEG交換造設などの治療のための禁食がほとんどであった. これらの患者の多くは, 退院後も地域と連携し, NSTの活動を継続することが必要と考える. 【結語】当院の地域性を考慮すると, 当院のNST活動は地域の病院や老健施設, 歯科衛生士との連携を図ることが重要である. 今後は正確な一次スクリーニングを行い, 早期にNSTの介入を要する患者を見極め, 患者のQOLの向上に努め, 地域と連携した活動を行いたいと考えている.
ISSN:1343-2826