12.マンモグラフィー併用検診で発見された乳癌症例の検討

平成13年度より当院周辺地区において始まったマンモグラフィー併用乳癌検診で発見された4例の乳癌症例を検討した. 2例は本人希望でマンモグラフィーをとった閉経前症例である. 検診時の視触診診断は3例が異常なし, 1例は乳腺症であり, いずれもマンモグラフィーの異常で要精検となった症例であった. マンモグラフィー上は全例に癌を疑わせる微細石灰化像を認め, 1例には腫瘤陰影も認めたが, 初診時に腫瘤を触知したのは2例のみであった. 手術は3例に乳房温存術が, 1例に胸筋温存乳房切除術が施行された. 組織学的に1例は非浸潤癌であり, いずれの症例でもリンパ節転移は認められず, ERは陽性であった, 以...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 2; p. 212
Main Authors 前村道生, 六本木隆, 山田敬之, 常沢伸幸, 萩原靖崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2003
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ISSN1343-2826

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Summary:平成13年度より当院周辺地区において始まったマンモグラフィー併用乳癌検診で発見された4例の乳癌症例を検討した. 2例は本人希望でマンモグラフィーをとった閉経前症例である. 検診時の視触診診断は3例が異常なし, 1例は乳腺症であり, いずれもマンモグラフィーの異常で要精検となった症例であった. マンモグラフィー上は全例に癌を疑わせる微細石灰化像を認め, 1例には腫瘤陰影も認めたが, 初診時に腫瘤を触知したのは2例のみであった. 手術は3例に乳房温存術が, 1例に胸筋温存乳房切除術が施行された. 組織学的に1例は非浸潤癌であり, いずれの症例でもリンパ節転移は認められず, ERは陽性であった, 以上我々の経験ではマンモグラフィー併用検診で発見された乳癌は比較的悪性度の低いと考えられる乳癌が多かった. また併用検診の普及により微細石灰化像を有する精検例は今後増加するものと考えられ, これらへの的確な対応が求められる.
ISSN:1343-2826