10.乳腺の非浸潤性アポクリン癌の2例

非浸潤性アポクリン癌と思われる2例について報告する, 症例1は74歳, 女性. 右乳房CA領域に4.3×3.8cm, 弾性硬, 境界不明瞭な腫瘤を触知した. マンモグラフィでは微細石灰化を伴う2cm大の辺縁不整な腫瘤像を認め, 超音波検査では腫瘤は辺縁不整な低エコー像を示した, CNBでは乳管癌と診断された. 右乳癌(T2N0M0, stageIIA)と診断し, Bt+Axを施行した. 症例2は61歳, 女性. 右乳房AC領域に2.8×2.0cm, 弾性硬, 境界やや不明瞭な腫瘤を触知した. マンモグラフィでは3cm大の辺縁不整な腫瘤像を認め, 超音波検査では腫瘤は辺縁不整な淡い低エコー像を示...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 6; pp. 489 - 490
Main Authors 内田和宏, 五十嵐清美, 武井寛幸, 末益公人, 東靖宏, 黒住昌史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2002
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Summary:非浸潤性アポクリン癌と思われる2例について報告する, 症例1は74歳, 女性. 右乳房CA領域に4.3×3.8cm, 弾性硬, 境界不明瞭な腫瘤を触知した. マンモグラフィでは微細石灰化を伴う2cm大の辺縁不整な腫瘤像を認め, 超音波検査では腫瘤は辺縁不整な低エコー像を示した, CNBでは乳管癌と診断された. 右乳癌(T2N0M0, stageIIA)と診断し, Bt+Axを施行した. 症例2は61歳, 女性. 右乳房AC領域に2.8×2.0cm, 弾性硬, 境界やや不明瞭な腫瘤を触知した. マンモグラフィでは3cm大の辺縁不整な腫瘤像を認め, 超音波検査では腫瘤は辺縁不整な淡い低エコー像を示した. CNBでは乳管癌と診断された. 右乳癌(T2N0M0, stageIIA)と診断し, Bp+SLNを施行した. 病理学的検索では, 2例とも非浸潤性乳管癌の形態を取っていた. また, 癌細胞の胞体は好酸性を呈し, 細胞内に無数の顆粒が認められ, アポクリン癌の特徴を示していた. 乳癌取扱い規約にはないが, 病理学的には非浸潤性アポクリン癌と診断しうる組織像であった.
ISSN:1343-2826