15.結腸癌術後の癌性腹水に対する5FU-LV療法が奏効し社会復帰できた一例

症例は, 48歳男性. 主訴は腹痛. 既往歴に特記すべきことはない. 現病歴としては, 平成8年1月25日に横行結腸癌(stage IIIa)にて結腸左半切除術を施行した. 平成9年11月25日には横行結腸に局所再発を認め, 横行結腸部分切除を施行している. 平成10年12月よりCEAが上昇を始め, 平成12年10月に胸部CT検査にて, 肺転移を認めたため, 11月, 12月, 平成13年3月, 6月と4回のCF療法+MMCの化学療法を施行した. 平成13年6月より腹部膨満感が出現し, 腹部CT検査にて, 腹膜再発の所見を認め, 経口摂取困難となったため, 7月22日に当科再入院となった. 7...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 5; pp. 416 - 417
Main Authors 諸岡勝美, 古田雄一, 中村光郎, 内藤浩, 成子浩, 愛甲丞, 中里健二, 石川功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2002
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Summary:症例は, 48歳男性. 主訴は腹痛. 既往歴に特記すべきことはない. 現病歴としては, 平成8年1月25日に横行結腸癌(stage IIIa)にて結腸左半切除術を施行した. 平成9年11月25日には横行結腸に局所再発を認め, 横行結腸部分切除を施行している. 平成10年12月よりCEAが上昇を始め, 平成12年10月に胸部CT検査にて, 肺転移を認めたため, 11月, 12月, 平成13年3月, 6月と4回のCF療法+MMCの化学療法を施行した. 平成13年6月より腹部膨満感が出現し, 腹部CT検査にて, 腹膜再発の所見を認め, 経口摂取困難となったため, 7月22日に当科再入院となった. 7月23日に2000mlの腹水穿刺を施行し, 細胞診にて, Class5, adenocarcinomaを検出した. 7月27日と8月10日に2回のCDDP腹腔内投与を行ったが, 腹水はコントロールできず, 数回の腹水穿刺をくり返している. 9月19日より, 5FU-LV療法を開始し, 5FU500mg, アイソボリン375mgの週一回の投与につれて, 腹水の増加が見られなくなり, 腹部CT検査でも, 徐々に癌性腹水の減少が認められ, 11月2日軽快退院した. 退院後も, 外来にて5FU-LV療法を継続しているが, 平成14年1月29日の腹部CT検査では, 腹水はCT上完全に消失しており, 現在職場へ復帰し通常の勤務ができている.
ISSN:1343-2826