13.甲状腺転移をきたした乳腺間質肉腫の一例

【症例】55歳女性. 平成9年7月, 乳腺間質肉腫の診断で非定型的乳房切除術を施行. 平成11年9月, 右肺上葉の孤立性転移で手術. 平成13年8月, 4年目の検査を行ったが尿 血液検査では異常なし. 画像上も肺, 肝臓, 骨等には明らかな転移は認めなかった. しかし, 右頸部の違和感を訴えあり. 超音波検査を施行したところ2cm大の充実性腫瘤を確認CTにて腫瘍内部は不均一で気管を圧排していたため手術を勧めた. 入院を待つ間に嗅声が出現. 入院後再度CT施行し腫瘍が気管内に浸潤していることを確認. 細胞診で未分化癌は否定され, 乳腺間質肉腫の転移と診断した. 乳腺間質肉腫はまれな疾患で比較的良...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 2; p. 148
Main Authors 長島真理子, 林武徳, 大久保辰雄, 池内健二, 大久保清一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2002
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Summary:【症例】55歳女性. 平成9年7月, 乳腺間質肉腫の診断で非定型的乳房切除術を施行. 平成11年9月, 右肺上葉の孤立性転移で手術. 平成13年8月, 4年目の検査を行ったが尿 血液検査では異常なし. 画像上も肺, 肝臓, 骨等には明らかな転移は認めなかった. しかし, 右頸部の違和感を訴えあり. 超音波検査を施行したところ2cm大の充実性腫瘤を確認CTにて腫瘍内部は不均一で気管を圧排していたため手術を勧めた. 入院を待つ間に嗅声が出現. 入院後再度CT施行し腫瘍が気管内に浸潤していることを確認. 細胞診で未分化癌は否定され, 乳腺間質肉腫の転移と診断した. 乳腺間質肉腫はまれな疾患で比較的良好な経過をとるものが多いとされている. 今回, 甲状腺転移を示した症例を経験したので報告する.
ISSN:1343-2826