2. ITPに対する脾摘術の周術期管理とその治療成績
【目的】過去10年間に当院で施行した特発性血小板減少性紫斑病に対する脾臓摘出術(以下摘脾術)の周術期管理のポイントとその治療成績について検討した. 【対象】当院血液内科治療の後, 薬物治療抵抗性のため脾摘術の適応とされた18例(平均年齢36.4歳, 男女比7:11). 10例が開腹下, H.9年以降の8例は全例腹腔鏡下脾摘術施行. 【方法】1. 周術期管理は, 術前6-7日前から静注用ガンマグロブリン400mg/kg/dayを5日間投与, プレドニン内服例では同時にプレドニンを1mg/kg/dayに増量. 術当日よりステロイドカバーを行い, 血小板数の変動をみながら原則として2日毎に10-20...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 50; no. 6; p. 562 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
2000
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Summary: | 【目的】過去10年間に当院で施行した特発性血小板減少性紫斑病に対する脾臓摘出術(以下摘脾術)の周術期管理のポイントとその治療成績について検討した. 【対象】当院血液内科治療の後, 薬物治療抵抗性のため脾摘術の適応とされた18例(平均年齢36.4歳, 男女比7:11). 10例が開腹下, H.9年以降の8例は全例腹腔鏡下脾摘術施行. 【方法】1. 周術期管理は, 術前6-7日前から静注用ガンマグロブリン400mg/kg/dayを5日間投与, プレドニン内服例では同時にプレドニンを1mg/kg/dayに増量. 術当日よりステロイドカバーを行い, 血小板数の変動をみながら原則として2日毎に10-20mgずつ漸減. 血小板数改善後, 退院または血液内科転科とし, 退院後は血液内科外来で経過観察. 2. 術前・術後の血小板数の変動, 開腹下・腹腔鏡下脾摘術の治療成績について検討. 【結果】1. 以上の処置で全例手術可能 2. 平均手術時間は開腹下90分腹腔鏡下156分. 平均出血量は開腹下156g腹腔鏡下61g. 平均摘出脾臓重量は190g(最大重量340g). 術後平均外科在院日数は開腹下15.3日 腹腔鏡下8.1日. 3. 術後10日目までの血小板数の変化は, 18例中16症例が14万以上に血小板数が増加したが, 2例(11.1%)では血小板数8万以下であった. 術後2-3ヶ月頃血小板数が減少することもあり, 注意を要する. 4. 術後長期の検討では, 72%の症例で血小板数は正常化し, 術後血小板改善不十分な症例でも術前に比べ少量のステロイド投与で5万以上を維持できた. 【結語】1. ITPに対する脾摘術は全例で有用な治療法であった. 2. 腹腔鏡下脾摘術では, 術後在院日数・経口摂取・歩行開始までの日数は短縮と術後回復が早く, 腹腔鏡下手術の利点は明らかであった. |
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ISSN: | 1343-2826 |