講演会場も気づきの相談室

面接相談は, カウンセラーとクライアントが互いに向きあうことで, 気づきの促進をすることである, と私は理解している. 同じように講演会場は, 当事者として特定される“息苦しさ”の少ない“気楽”な空間として, より気づきの促進が可能な場と実感している. 私は一方通行の講義スタイルではなく, 参加者とのやり取りを積極的に取り入れ, そこで気づかれたことを「優しさの掘り起こし」として会場の話題にしている. 参加者は何度か自問自答するうちに隣同士で分かちあう機会を求めてくる. このタイミングを逃すことなく「ミーティングして下さい」といって時間を数分間とる. 講演会場も「自分を必要以上に追いつめない」...

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Bibliographic Details
Published inこころの健康 Vol. 19; no. 1; pp. 93 - 94
Main Author 富田富士也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本精神衛生学会 2004
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Summary:面接相談は, カウンセラーとクライアントが互いに向きあうことで, 気づきの促進をすることである, と私は理解している. 同じように講演会場は, 当事者として特定される“息苦しさ”の少ない“気楽”な空間として, より気づきの促進が可能な場と実感している. 私は一方通行の講義スタイルではなく, 参加者とのやり取りを積極的に取り入れ, そこで気づかれたことを「優しさの掘り起こし」として会場の話題にしている. 参加者は何度か自問自答するうちに隣同士で分かちあう機会を求めてくる. このタイミングを逃すことなく「ミーティングして下さい」といって時間を数分間とる. 講演会場も「自分を必要以上に追いつめない」気づきの相談室として, いろいろな工夫を取り入れながら老若男女に“利用”していただいている. そのためには演壇からおりて, 参加者とのドキドキハラハラのやり取りを重ねる努力をこれからもしていきたいと思っている.
ISSN:0912-6945