第27回 心身健康科学サイエンスカフェ 霊長類の色覚の由来から考えるヒト色覚の多様性の意味

2015年11月27日(金)に第27回心身健康科学サイエンスカフェが人間総合科学大学東京サテライトにて開催された. 心身健康科学サイエンスカフェは, 研究領域や専門分野の垣根を乗り越えて, 大学・研究機関・大学院・企業などに所属する研究者が相互に交流する場として2010年12月からスタートした. 第1回に新井康允先生(人間総合科学大学・大学院学術顧問)をスピーカーとして迎えることにとどまらず, これまでにも小林修平先生(第9回), 青木清先生(第10回)など, 大変著名な先生方からご専門の研究領域についてのお話を聞く機会を設定してきた. 今回, 河村正二先生(東京大学大学院新領域創成科学研究科...

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Published in心身健康科学 Vol. 12; no. 1; p. 42
Main Author 高原皓全
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心身健康科学会 01.02.2016
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Summary:2015年11月27日(金)に第27回心身健康科学サイエンスカフェが人間総合科学大学東京サテライトにて開催された. 心身健康科学サイエンスカフェは, 研究領域や専門分野の垣根を乗り越えて, 大学・研究機関・大学院・企業などに所属する研究者が相互に交流する場として2010年12月からスタートした. 第1回に新井康允先生(人間総合科学大学・大学院学術顧問)をスピーカーとして迎えることにとどまらず, これまでにも小林修平先生(第9回), 青木清先生(第10回)など, 大変著名な先生方からご専門の研究領域についてのお話を聞く機会を設定してきた. 今回, 河村正二先生(東京大学大学院新領域創成科学研究科・教授)をスピーカーとしてお招きし, 「霊長類の色覚の由来から考えるヒト色覚の多様性の意味」と題してお話をいただいた. 本サイエンスカフェは, 本学および関連校の学生・教職員だけでなはなく, 一般参加者も広く迎え入れて, 最新の知見やリサーチクエスチョンを共有することを主旨としており, お菓子をつまみ, コーヒーを片手に参加者たちが気軽にディスカッションを行うアットホームな雰囲気がその魅力の一つでもある. 河村先生からは, 我々ヒトが普段の生活の中で視覚情報の源となる色覚に関するお話をいただいた. 進化の視点を踏まえたヒトにみられる色覚の変異についての話の中でも特に印象に残ったことは, 鳥類や爬虫類が我々ヒトよりも多くの色覚を有していることや, 魚類においては色覚を水の環境に応じて変化させるシステムを有していることであった. 遺伝子レベルまで掘り下げて様々な事柄について探究されている様子を伺い, 自身の研究に取り組む姿勢を改めて見直す機会となった. 非常に難しい内容であったが, 参加者の多くが専門外であることを想定していただいており, 私でも理解できたような気持ちになれた. 様々な研究分野の先生からお話を聞けるこの機会を今後も楽しみにしている.
ISSN:1882-6881