第31回 (2014年度 第2回) 生涯学習特別講義 こころ / 相手の気持ち, 自分の思い 生涯学習特別講議参加レポート

学校, 職場, 家族, 地域など社会における様々な場面において「こころ」の問題に注目が注がれている. 我々人間にとって, 自分や他人の「こころ」を理解することの重要性について, 社会的認識が広がっているように感じる. 一方, 現在の科学が我々人間の「こころ」を十分に証明できているかという問いへの答えは否であると考えられる. 2014年12月6日に行われた第31回生涯学習特別講義では, 「こころ/相手の気持ち, 自分の思い」をテーマに設定し, 4名の異なる専門分野の先生方からそれぞれの視点でこの問いに対する考え方についての講義が行われた. 午前の部では, 小岩信義先生, 鍵谷方子先生からそれぞれ...

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Published in心身健康科学 Vol. 11; no. 2; p. 71
Main Author 高原皓全
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心身健康科学会 01.09.2015
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Summary:学校, 職場, 家族, 地域など社会における様々な場面において「こころ」の問題に注目が注がれている. 我々人間にとって, 自分や他人の「こころ」を理解することの重要性について, 社会的認識が広がっているように感じる. 一方, 現在の科学が我々人間の「こころ」を十分に証明できているかという問いへの答えは否であると考えられる. 2014年12月6日に行われた第31回生涯学習特別講義では, 「こころ/相手の気持ち, 自分の思い」をテーマに設定し, 4名の異なる専門分野の先生方からそれぞれの視点でこの問いに対する考え方についての講義が行われた. 午前の部では, 小岩信義先生, 鍵谷方子先生からそれぞれ脳機能, ホルモン分泌に焦点を当てた話が展開された. 午後の部では, 吉田浩子先生, 島田涼子先生から動物行動学, 臨床心理学それぞれの視点からみた「こころ」についての話が展開された. 今回, 一つの答えを見出す会ではなく, 参加者と「こころ」について現時点での様々な考えを共有する会であったと感じている. 個人的に強く興味を引いたのは, 吉田浩子先生のお話の中の"種を越えた動物における行動の伝染"であった. "他人のあくびがうつる"という現象を我々ヒトは経験したことがあると思われるが, この現象がヒト-イヌ間やその他の動物間でも起こるという内容であった. 1日を通して脳の話, ホルモンの話, サルやゴリラの話, カウンセリングの話など, 非常にバライティーに富んだ内容を吸収することができ, エキサイティングな1日であった.
ISSN:1882-6881