岡山大学病院における白主臨床研究の現状と薬剤師の関与

「緒言」岡山大学病院(以下, 当院と略す)の治験センターは平成11年4月に設立され, 現在, 治験事務, 治験薬管理, 治験コーディネーター(以下, CRCと略す), 事前審査, 治験教育ならびに地域治験支援の6部門から構成されている. その治験センター設立の過程で, 医薬品等に関する研究者主導の臨床試験(以下, 自主臨床研究と略す)を治験審査委員会(以下, IRBと略す)で審査することが要望された. 自主臨床研究が治験と大きく異なっている点は, 申請書類の作成ならびにその手続きを行うのが治験依頼者ではなく医師自らであり, 自分が計画した臨床研究に責任を持ってなされることにある. わが国では,...

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Published in医療薬学 Vol. 28; no. 6; pp. 630 - 636
Main Authors 二神幸次郎, 定金典明, 西原茂樹, 三牧祐一, 荒木博陽, 五味田裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療薬学会 2002
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Summary:「緒言」岡山大学病院(以下, 当院と略す)の治験センターは平成11年4月に設立され, 現在, 治験事務, 治験薬管理, 治験コーディネーター(以下, CRCと略す), 事前審査, 治験教育ならびに地域治験支援の6部門から構成されている. その治験センター設立の過程で, 医薬品等に関する研究者主導の臨床試験(以下, 自主臨床研究と略す)を治験審査委員会(以下, IRBと略す)で審査することが要望された. 自主臨床研究が治験と大きく異なっている点は, 申請書類の作成ならびにその手続きを行うのが治験依頼者ではなく医師自らであり, 自分が計画した臨床研究に責任を持ってなされることにある. わが国では, 治験に対する実施体制が整備される中, 自主臨床研究の実施体制を整備している医療機関はまだ少ないものと考えられる. 当院では, 自主臨床研究を実施する上での標準業務手順書として, 「岡山大学医学部附属病院における自主臨床研究の取り扱いについて」第1版を平成12年1月に作成し, その手順書に従って自主臨床研究の円滑な実施を試みている. 治験以外にわれわれが知らなかった種々の医薬品に関する臨床研究が行われており, それらの自主臨床研究を少しでも質の高いもの, 患者の権利を守ったものになるよう薬剤師が貢献できる部分も多いものと考えられる.
ISSN:1346-342X