5. 手術可能症例に対する術前化学療法の検討
【目的】当院では手術可能な腫瘍径30mm以上(もしくは乳管内進展など相対的に乳房温存不可能例), あるいは腋窩リンパ節転移陽性例を術前化学療法の適応とした. これらの症例の治療成績について検討してみた. 【対象】2006年3月から2009年9月までに術前化学療法を施行し, 手術にて病理学的検索の終了した12例. 使用レジメンはAnthracycline/Taxaneが11例, Anthracyclineのみが1例あった. 【結果】12例中1例はAnthracycline後にPRになったため本人の希望にて手術施行, それ以外は完遂. 治療前臨床病期はIIA4例, IIB4例, IIIA2例, I...
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Published in | 山口医学 Vol. 61; no. 1/2; p. 72 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
01.05.2012
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ISSN | 0513-1731 |
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Summary: | 【目的】当院では手術可能な腫瘍径30mm以上(もしくは乳管内進展など相対的に乳房温存不可能例), あるいは腋窩リンパ節転移陽性例を術前化学療法の適応とした. これらの症例の治療成績について検討してみた. 【対象】2006年3月から2009年9月までに術前化学療法を施行し, 手術にて病理学的検索の終了した12例. 使用レジメンはAnthracycline/Taxaneが11例, Anthracyclineのみが1例あった. 【結果】12例中1例はAnthracycline後にPRになったため本人の希望にて手術施行, それ以外は完遂. 治療前臨床病期はIIA4例, IIB4例, IIIA2例, IIIB2例であった. 臨床効果判定ではCR4例, PR6例, SD2例であり奏効率は83.3%であった. pCRは4例, 33.3%に認められた. pCR症例の治療前病期はIIA2例, IIB1例, IIIA1例で, ER(+) PGR(+) HER2(-)が1例, それ以外はすべてtriple negativeであった. 術後再発は, 1例に単発性脳転移を認めた. 【結語】triple negative例にpCRを多く認めたが, ホルモン受容体陽性例でも1例認めた. 予後不良といわれているtriple negativeに対して積極的に術前化学療法を用いれば, pCRの可能性が高くなることが示唆された. |
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ISSN: | 0513-1731 |