11. ドクターヘリが有用であった両側外傷性気胸症例
【症例】54歳男性. 軽トラックとトラクターの間に胸部を挟まれ受傷した. 胸部と背部の疼痛を強く訴えていたため, ドクターヘリの適応であると判断され, 現場救急隊よりヘリ要請となった. 救急隊現着から約7分でヘリが要請され, 現発から約18分後, ランデブーポイントで患者に接触できた. 患者は意識清明だったが, 激しい胸背部痛と呼吸困難を訴えており, 右前胸部から頸部にかけて広範囲の皮下気腫, さらに左前胸部の奇異性胸郭運動を認めたため, 両側緊張性気胸であると判断して, 左右側胸部から胸腔ドレーンチューブを挿入した. ドレナージ開始後は症状改善し, バイタルサインも安定していたため, ドクタ...
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Published in | 山口医学 Vol. 61; no. 1/2; p. 68 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
01.05.2012
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Summary: | 【症例】54歳男性. 軽トラックとトラクターの間に胸部を挟まれ受傷した. 胸部と背部の疼痛を強く訴えていたため, ドクターヘリの適応であると判断され, 現場救急隊よりヘリ要請となった. 救急隊現着から約7分でヘリが要請され, 現発から約18分後, ランデブーポイントで患者に接触できた. 患者は意識清明だったが, 激しい胸背部痛と呼吸困難を訴えており, 右前胸部から頸部にかけて広範囲の皮下気腫, さらに左前胸部の奇異性胸郭運動を認めたため, 両側緊張性気胸であると判断して, 左右側胸部から胸腔ドレーンチューブを挿入した. ドレナージ開始後は症状改善し, バイタルサインも安定していたため, ドクターヘリで徳山中央病院に搬送となった. 【考察】他部位に損傷はないものの, 緊張性気胸により数分後には心停止に陥っていたことが予想されるため, ドクターヘリ運用による迅速な処置開始が非常に有用な症例であった. |
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ISSN: | 0513-1731 |