NO.1 稀少遺伝性疾患をもつ子どもとその家族への看護―プラダーウィリー症候群について

【目的】プラダーウィリー・症候群(以下PWS)をもつ子どもの母親が抱く思いや悩みを明らかにし, 本疾患への看護について考察する. 【方法】PWSの家族会に所属する母親17名を対象に半構成的面接を行い, 内容を逐語録に起こしてデータとした. データはKrippendorffの内容分析の手法に基づき分析した. 【結果および考察】分析の結果, 41カテゴリーと9コアカテゴリーが抽出された. 母親は, 児の障害を知り大きな衝撃を受け, その後も哺乳がうまく進まないことや, 稀な疾患で育児に関する情報が十分に得られないことでの困難を感じていた. 幼児期以降になると過食や行動上の問題による悩みを抱えるが,...

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Published in山口医学 Vol. 60; no. 3; p. 75
Main Authors 沓脱小枝子, 辻野久美子, 塚原正人, 村上京子, 飯野英親, Turale Susan, 竹内久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2011
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ISSN0513-1731

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Summary:【目的】プラダーウィリー・症候群(以下PWS)をもつ子どもの母親が抱く思いや悩みを明らかにし, 本疾患への看護について考察する. 【方法】PWSの家族会に所属する母親17名を対象に半構成的面接を行い, 内容を逐語録に起こしてデータとした. データはKrippendorffの内容分析の手法に基づき分析した. 【結果および考察】分析の結果, 41カテゴリーと9コアカテゴリーが抽出された. 母親は, 児の障害を知り大きな衝撃を受け, その後も哺乳がうまく進まないことや, 稀な疾患で育児に関する情報が十分に得られないことでの困難を感じていた. 幼児期以降になると過食や行動上の問題による悩みを抱えるが, 次第にわが子との生活に適応する様子が伺えた. 看護職者は, 母親が児の障害を知った後の精神的援助を十分に行い, その後も具体的な育児支援を行う必要がある. 幼児期以降は過食や行動上の問題に対するアドバイスを行い, 児との生活への適応を支援することが重要である.
ISSN:0513-1731