1. 当院での静注アミオダロン使用症例の検討

【背景】アミオダロン静注薬の有効性と患者の臨床的背景との関係は明らかでない. また初期負荷投与の有無と副作用発生頻度の関係についての明確な関連を示した報告はない. 【目的】当院にて静注アミオダロンを使用した症例について, 臨床背景および不整脈別の有用性, 初期急速投与の有無による副作用の発生頻度に関して検討した. 【方法】対象は, 当院で静注AMDを使用した20例(男性13例, 女性7例), 平均年齢は64.7±9.1歳. 患者の背景と有効性及び投与開始時と開始1時間後の収縮期血圧, 心拍数を比較した. 【結果】静注AMDの有効性は上室性不整脈では全例(6/6), 心室性不整脈では71%(10...

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Published in山口医学 Vol. 59; no. 5/6; p. 252
Main Authors 平塚淳史, 清水昭彦, 上山剛, 土居正浩, 大宮俊秀, 吉田雅昭, 福田昌和, 加藤孝佳, 松崎益徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2010
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Summary:【背景】アミオダロン静注薬の有効性と患者の臨床的背景との関係は明らかでない. また初期負荷投与の有無と副作用発生頻度の関係についての明確な関連を示した報告はない. 【目的】当院にて静注アミオダロンを使用した症例について, 臨床背景および不整脈別の有用性, 初期急速投与の有無による副作用の発生頻度に関して検討した. 【方法】対象は, 当院で静注AMDを使用した20例(男性13例, 女性7例), 平均年齢は64.7±9.1歳. 患者の背景と有効性及び投与開始時と開始1時間後の収縮期血圧, 心拍数を比較した. 【結果】静注AMDの有効性は上室性不整脈では全例(6/6), 心室性不整脈では71%(10/14)に認めた. 患者背景による有効性の差は認めなかった. 3例で20mmHg以上の収縮期血圧の低下, 1例で50拍/分以下の著明な徐脈を認めた. 初期負荷投与の有無による副作用の発生頻度に有意差を認めなかった. 【考察】初期負荷投与の有無に関わらず収縮期血圧低下傾向や徐脈になる症例が認められるので, 注意深い観察が必要である.
ISSN:0513-1731