NO.7 視神経脊髄炎患者血清によるアストロサイト傷害のメカニズムの解析

【背景・目的】視神経脊髄炎(NMO)はNMO患者血清中の抗AQP4抗体や炎症性サイトカインによるアストロサイト(AST)の傷害が病因とされるが, AST傷害の分子メカニズムは不明である. 抗AQP4抗体の補体介在性AST傷害が一つの機序とされるが, 抗AQP4抗体そのものによるAST傷害も推測される. NMO患者血清をASTに作用させASTのAQP4の発現量や局在の変化を, 我々が樹立したAQP4を強発現したヒトAST不死化細胞株(hAST-AQP4)を用い検討した. 【方法】第114回の本会で報告したhAST-AQP4株にNMO患者血清を作用させ, AQP4の発現の変化をウエスタンブロットお...

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Published in山口医学 Vol. 59; no. 5/6; p. 244
Main Authors 春木明代, 佐野泰照, 清水文崇, 斎藤和幸, 安部真彰, 前田敏彦, 神田隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2010
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Summary:【背景・目的】視神経脊髄炎(NMO)はNMO患者血清中の抗AQP4抗体や炎症性サイトカインによるアストロサイト(AST)の傷害が病因とされるが, AST傷害の分子メカニズムは不明である. 抗AQP4抗体の補体介在性AST傷害が一つの機序とされるが, 抗AQP4抗体そのものによるAST傷害も推測される. NMO患者血清をASTに作用させASTのAQP4の発現量や局在の変化を, 我々が樹立したAQP4を強発現したヒトAST不死化細胞株(hAST-AQP4)を用い検討した. 【方法】第114回の本会で報告したhAST-AQP4株にNMO患者血清を作用させ, AQP4の発現の変化をウエスタンブロットおよび免疫染色法を用いて検討した. 【結果・結論】NMO患者血清をhAST-AQP4に作用させるとAQP4の発現量は蛋白レベルで低下し, ASTの細胞傷害が生じた可能性あるいは, AST細胞内でAQP4の分解が促進された可能性が考えられた.
ISSN:0513-1731