4. 川崎病に対する血漿交換療法中に真菌性腎盂炎を発症した水腎水尿管症の4歳男児例
症例は4歳6ヵ月男児. 基礎疾患として右腎無形成, 左水腎水尿管症があり近医総合病院でフォローされていた. 発熱6日目に症状から川崎病と診断されガンマグロブリン2g/kg2クール施行されたが解熱せず当科紹介入院した. ステロイドパルス療法施行も効果なく血漿交換療法5日間行い炎症は鎮静化した. 川崎病33病日に38℃台の発熱とCRP上昇を認め精査したところ, 左腎盂内に径7mmのfungus ballを認めた. 起炎菌はCandida Albicansだった. FLCZの効果不十分でVRCZ静注に変更し合計4週間の抗真菌薬投与による内科的治療でfungus ballは消失した. 本症例では基礎疾...
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Published in | 山口医学 Vol. 59; no. 3; p. 148 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
2010
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Summary: | 症例は4歳6ヵ月男児. 基礎疾患として右腎無形成, 左水腎水尿管症があり近医総合病院でフォローされていた. 発熱6日目に症状から川崎病と診断されガンマグロブリン2g/kg2クール施行されたが解熱せず当科紹介入院した. ステロイドパルス療法施行も効果なく血漿交換療法5日間行い炎症は鎮静化した. 川崎病33病日に38℃台の発熱とCRP上昇を認め精査したところ, 左腎盂内に径7mmのfungus ballを認めた. 起炎菌はCandida Albicansだった. FLCZの効果不十分でVRCZ静注に変更し合計4週間の抗真菌薬投与による内科的治療でfungus ballは消失した. 本症例では基礎疾患の複雑尿路奇形に加え, ステロイドの投与, 血漿交換療法による免疫関連蛋白の低下, 血漿交換中の尿道バルーンカテーテル留置が複合的に関与し真菌性腎盂炎を呈したと考えた. |
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ISSN: | 0513-1731 |