NO.18 NMOの病態解析のためのヒトglio-vascular unit modelの作製

【背景】Neuromyelitis optica(NMO)患者血清中にはアストロサイト(AST)の足突起に局在するAQP4に対する抗体が存在し, NMOの発症, 進展に関与している. このため, 抗AQP4抗体を用いたin vitroでのAST傷害機序解明がNMOの病態を理解する有力な手段の一つとなる. 【方法】ヒトASTに温度感受性ラージT抗原を導入し, 条件的不死化細胞株とした. 同株にヒトAQP4のcDNAを導入し, 得られた細胞(AQP4導入AST株)のAQP4の発現をRT-PCR, 免疫細胞化学的手法を用いて検討した. 【結果・結論】AQP4導入AST株はmRNA, 蛋白レベルともに...

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Published in山口医学 Vol. 59; no. 3; p. 145
Main Authors 春木明代, 佐野泰照, 清水文崇, 神田隆, 中田力
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2010
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Summary:【背景】Neuromyelitis optica(NMO)患者血清中にはアストロサイト(AST)の足突起に局在するAQP4に対する抗体が存在し, NMOの発症, 進展に関与している. このため, 抗AQP4抗体を用いたin vitroでのAST傷害機序解明がNMOの病態を理解する有力な手段の一つとなる. 【方法】ヒトASTに温度感受性ラージT抗原を導入し, 条件的不死化細胞株とした. 同株にヒトAQP4のcDNAを導入し, 得られた細胞(AQP4導入AST株)のAQP4の発現をRT-PCR, 免疫細胞化学的手法を用いて検討した. 【結果・結論】AQP4導入AST株はmRNA, 蛋白レベルともに十分量のAQP4を発現し, BMECとの共培養でBMEC側に面した足突起への局在を認めた. 本細胞を含むヒトBBB構成細胞株を用いたgliovascular unit modelはNMOの病態解明の有力なツールとなりうる.
ISSN:0513-1731