NO.2 乳癌組織における細胞膜女性ホルモン受容体GPR30の遺伝子変異の検出

【背景】最近Gタンパク結合型受容体GPR30がエストロゲンの細胞膜受容体であることが明らかになった. そこで, GPR30の変異と乳癌の関係を調べるため高速での未知変異遺伝子検出法を確立し乳癌サンプルを用いて変異の解析を行った. 【方法】GPR30のORFを4つの領域に分け, high resolution melting(HRM)法の至適条件を確立した. この条件下でHRM法によるヒト乳癌サンプルでの遺伝子変異を検討し, ダイレクトシークエンス法で変異の確認を行った. 【結果】HRM法によるGPR30 0RFの変異検出は, 2mMのMg2+存在下で, Expand High Fidelity...

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Published in山口医学 Vol. 59; no. 3; p. 140
Main Authors 相原正宗, 山本滋, 西岡弘子, 岡本まり子, 岡正朗, 水上洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2010
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ISSN0513-1731

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Summary:【背景】最近Gタンパク結合型受容体GPR30がエストロゲンの細胞膜受容体であることが明らかになった. そこで, GPR30の変異と乳癌の関係を調べるため高速での未知変異遺伝子検出法を確立し乳癌サンプルを用いて変異の解析を行った. 【方法】GPR30のORFを4つの領域に分け, high resolution melting(HRM)法の至適条件を確立した. この条件下でHRM法によるヒト乳癌サンプルでの遺伝子変異を検討し, ダイレクトシークエンス法で変異の確認を行った. 【結果】HRM法によるGPR30 0RFの変異検出は, 2mMのMg2+存在下で, Expand High Fidelity PLUS(Roche)とSYTO9(Invitrogen)の組み合わせが最も高感度であった. 乳癌サンプルでは, 16%で融解曲線に顕著な変化が認められ, この結果はダイレクトシークエンスの結果と完全に一致していた. GPR30のORFでは30G>A(4%), 47C>T(8%), 789G>A(8%), 1092C>T(8%)の変異が確認され, 47C>Tはアミノ酸の変異が確認された.
ISSN:0513-1731