一般演題 NO.1 副腎皮質ステロイド薬が血液神経関門(BNB)に及ぼす影響の解析

【背景・目的】慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーなどの自己免疫性末梢神経疾患ではBNBの破綻が認められる. 副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)はこれらの疾患に有効な治療として使用されているが, その作用機序は不明な点が多い. 今回我々はBNBの首座である末梢神経神経内膜由来微小血管内皮細胞(PnMECs)不死化細胞株を用い, ステロイドがBNBにどのような影響を与えるか検討した. 【方法】ヒトPnMECsにステロイドを作用させ, claudin-5の発現をreal-time PCRとwestern blotで検討し, 電気抵抗を測定した. 【結論】PnMECsにステロイドを作用させるとmRN...

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Published in山口医学 Vol. 58; no. 6; p. 275
Main Authors 柏村陽子, 佐野泰照, 清水文崇, 春木明代, 神田隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2009
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Summary:【背景・目的】慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーなどの自己免疫性末梢神経疾患ではBNBの破綻が認められる. 副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)はこれらの疾患に有効な治療として使用されているが, その作用機序は不明な点が多い. 今回我々はBNBの首座である末梢神経神経内膜由来微小血管内皮細胞(PnMECs)不死化細胞株を用い, ステロイドがBNBにどのような影響を与えるか検討した. 【方法】ヒトPnMECsにステロイドを作用させ, claudin-5の発現をreal-time PCRとwestern blotで検討し, 電気抵抗を測定した. 【結論】PnMECsにステロイドを作用させるとmRNAと蛋白レベルでclaudin-5の発現は有意に増加し, 高い電気抵抗値を示した. ステロイドは内皮細胞のclaudin-5の発現を増加させることでBNBの破綻を修復していると推察される.
ISSN:0513-1731