4. デフェンシン活性化のメカニズム
デフェンシンは3-4kD, 3組のジスルフィド結合を持つ, 陽性荷電を有する抗菌性のペプチドであり, αデフェンシンとβデフェンシンに大別される. Cryptdinはマウス小腸のPaneth cellに発現するαデフェンシンである. 1999年, matrilysin(matrix metalloproteinase-7)により前駆体からprosegmentが分離され, 活性化したmature cryptdinとなることが報告された. cryptdin-4ではprosegment内のSer43↓Ile44とAla53↓Leu54の2箇所およびmature peptideのN末端の近傍であるSe...
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Published in | 山口医学 Vol. 58; no. 5; pp. 236 - 237 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
2009
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ISSN | 0513-1731 |
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Summary: | デフェンシンは3-4kD, 3組のジスルフィド結合を持つ, 陽性荷電を有する抗菌性のペプチドであり, αデフェンシンとβデフェンシンに大別される. Cryptdinはマウス小腸のPaneth cellに発現するαデフェンシンである. 1999年, matrilysin(matrix metalloproteinase-7)により前駆体からprosegmentが分離され, 活性化したmature cryptdinとなることが報告された. cryptdin-4ではprosegment内のSer43↓Ile44とAla53↓Leu54の2箇所およびmature peptideのN末端の近傍であるSer58↓Leu59の3箇所がmatrilysinによるcleavageを生じる(下図). これらcleavage siteのmutant peptideを作製し, matrilysinによるcleavageを検討した結果, prosegment内のcleavageと関連無くmature peptideの分離は生じるが, prosegment内のcleavageの少なくとも一部はmature peptide部のcleavageに影響されることが分かった. また, 遊離prosegmentによりmature peptideの抗菌活性が阻害されることも示された. また, 我々は現在, グラム陰性菌のみならず黄色ブドウ球菌などのグラム陽性球菌に対しても強力な抗菌作用を有するhuman β-defensin-3に注目し研究中であるが, これまでの知見も合わせて報告する. |
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ISSN: | 0513-1731 |