4. 無菌室における感染防止に関する研究―ドレッシング交換時のマキシマム・プリコーションの必要性の有無
本研究は無菌室で造血幹細胞移植を受ける患者の中心静脈カテーテル(CVC)挿入部のドレッシング交換を1)プラスチック手袋 2)滅菌手袋 3)マキシマム・プリコーション(マスク・滅菌手袋・滅菌ガウン・帽子)を着用する, の3法で施行し, これらの方法がカテーテル関連血流感染(CR-BSI)減少に有効か否かについて統計学的手法を用いて検証した. 平成18年9月1日から平成20年8月31日の24ヵ月間, 山口大学医学部附属病院1-10階東の無菌室に入室し, CVC挿入後造血幹細胞移植を受けた患者32名, 35症例を研究対象とした. CVC挿入部のドレッシング交換, 細菌検査は挿入後より1週間毎に行い,...
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Published in | 山口医学 Vol. 58; no. 5; p. 232 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
2009
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ISSN | 0513-1731 |
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Summary: | 本研究は無菌室で造血幹細胞移植を受ける患者の中心静脈カテーテル(CVC)挿入部のドレッシング交換を1)プラスチック手袋 2)滅菌手袋 3)マキシマム・プリコーション(マスク・滅菌手袋・滅菌ガウン・帽子)を着用する, の3法で施行し, これらの方法がカテーテル関連血流感染(CR-BSI)減少に有効か否かについて統計学的手法を用いて検証した. 平成18年9月1日から平成20年8月31日の24ヵ月間, 山口大学医学部附属病院1-10階東の無菌室に入室し, CVC挿入後造血幹細胞移植を受けた患者32名, 35症例を研究対象とした. CVC挿入部のドレッシング交換, 細菌検査は挿入後より1週間毎に行い, CVC挿入時および抜去時も同様に行った. 抜去時にはCVC先端の細菌検査を行い, 血液培養とCVC先端の検出菌が一致した場合をCR-BSIと確定した. その結果, CR-BSIと確定されたのは5例であった. 1)プラスチック手袋 2)滅菌手袋, 3)マキシマム・プリコーションの3方法とCR-BSIの関係を多変量解析した結果, 3方法間での有意差は認めなかった. |
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ISSN: | 0513-1731 |