2. 心房細動に対するBox隔離術後の心房頻拍の治療に難渋した1例

症例は41歳男性. 発作性心房細動に対して, 平成20年3月に福岡大学病院にてBox隔離術を施行された. その後よりHR150bpmのnarrow QRS tachycardiaを頻回に認めるようになり薬剤抵抗性であったため, 4月7日にEPSを施行. 左房にEnsiteを留置し頻拍のマッピングを行ったところ, Boxの天井とLIPV下端を伝道する心房頻拍であったため, Boxの天井とLIPV下端に対して通電を行い, 伝導の途絶を確認し終了とした. しかし, 5月になってから, 発作性心房細動を認めるようになり, 6月9日に再度EPSを施行. CARTOを用いて心房ベーシング中にマッピングを施...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in山口医学 Vol. 58; no. 5; p. 220
Main Authors 木村征靖, 小川宏, 分山隆敏, 岩見孝景, 波多野靖幸, 望月守, 白石宏造, 内田耕資, 清水昭彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2009
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は41歳男性. 発作性心房細動に対して, 平成20年3月に福岡大学病院にてBox隔離術を施行された. その後よりHR150bpmのnarrow QRS tachycardiaを頻回に認めるようになり薬剤抵抗性であったため, 4月7日にEPSを施行. 左房にEnsiteを留置し頻拍のマッピングを行ったところ, Boxの天井とLIPV下端を伝道する心房頻拍であったため, Boxの天井とLIPV下端に対して通電を行い, 伝導の途絶を確認し終了とした. しかし, 5月になってから, 発作性心房細動を認めるようになり, 6月9日に再度EPSを施行. CARTOを用いて心房ベーシング中にマッピングを施行したところ, LIPV下端よりBox内への伝導を認めたため通電を行った. アブレーション中にAFとなったが, 通電の継続により洞調律となった. 洞調律時, Boxの内部はAFが持続していた現象がとらえられたが, しばらくして, Box内部のAFも停止した. その後は, 心房頻拍も心房細動も認めていない.
ISSN:0513-1731