2. 心臓再同期治療法が有効であった低心拍出量症候群の1例

症例は60歳の女性. 平成18年に他院にて, 慢性心不全, 僧帽弁閉鎖不全症, 三尖弁閉鎖不全症, 頻脈性心房細動に対して, 僧帽弁置換術, 三尖弁輪縫縮術, 房室結節冷凍凝固術, ペースメーカー植込み術が施行された. しかし, その後もNYHA III~IVを繰り返していたため心臓再同期療法(CRT)目的で当院に転院となった. CRT前ベッド上の生活で, 心エコー検査では左室拡張末期径(LVDd)56mm, 左室駆出率(LVEF)15%, 血行動態は血圧が60~70/mmHg, 心拍出量(CO)2.5L/min, 心係数(CI)2.2L/min/m2であった. CRT後は院内を自由に歩けるよ...

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Published in山口医学 Vol. 58; no. 5; p. 211
Main Authors 木村征靖, 小川宏, 分山隆敏, 岩見孝景, 波多野靖幸, 望月守, 平塚敦史, 山田倫生, 清水昭彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2009
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ISSN0513-1731

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Summary:症例は60歳の女性. 平成18年に他院にて, 慢性心不全, 僧帽弁閉鎖不全症, 三尖弁閉鎖不全症, 頻脈性心房細動に対して, 僧帽弁置換術, 三尖弁輪縫縮術, 房室結節冷凍凝固術, ペースメーカー植込み術が施行された. しかし, その後もNYHA III~IVを繰り返していたため心臓再同期療法(CRT)目的で当院に転院となった. CRT前ベッド上の生活で, 心エコー検査では左室拡張末期径(LVDd)56mm, 左室駆出率(LVEF)15%, 血行動態は血圧が60~70/mmHg, 心拍出量(CO)2.5L/min, 心係数(CI)2.2L/min/m2であった. CRT後は院内を自由に歩けるようになり, 心エコー上LVEFは著変ないものの, LVDdは50mmと縮小し, 血圧は80~90/mmHg, COが3.0L/min, CIは2.6L/min/m2と改善した.
ISSN:0513-1731