NO. 10 バリア構成内皮のtight junction構成蛋白に対するIFN-βの効果

【目的】多発性硬化症において, IFN-βの再発予防・進行抑制効果が認められており, IFN-βによる血液脳関門(BBB)のバリア機能改善・修復効果が指摘されているが, その機序については十分に解明されていない. 今回われわれは, tight junction構成分子の発現に対するIFN-βの効果について検討した. 【方法】単層培養したラット温度感受性脊髄微小血管内皮細胞株(RSCMECs)にTNFα 10nM, IFN-β1b 1000U/mlを各々単独で, あるいは混合して反応させたのち, tight junction構成分子として重要なclaudin-5の発現についてreal-time...

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Published in山口医学 Vol. 57; no. 2/3; p. 64
Main Authors 前田敏彦, 佐野泰照, 安部真彰, 清水文崇, 寺崎哲也, 帯刀益夫, 高橋利一, 上田正次, 神田隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 2008
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ISSN0513-1731

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Summary:【目的】多発性硬化症において, IFN-βの再発予防・進行抑制効果が認められており, IFN-βによる血液脳関門(BBB)のバリア機能改善・修復効果が指摘されているが, その機序については十分に解明されていない. 今回われわれは, tight junction構成分子の発現に対するIFN-βの効果について検討した. 【方法】単層培養したラット温度感受性脊髄微小血管内皮細胞株(RSCMECs)にTNFα 10nM, IFN-β1b 1000U/mlを各々単独で, あるいは混合して反応させたのち, tight junction構成分子として重要なclaudin-5の発現についてreal-time PCR, western blotting, 免疫染色を用いて比較検討した. 【結果】RSCMECsにおけるclaudin-5のmRNA及び蛋白発現はTNFα単独処理で減少したが, IFN-βとの混合培養条件により発現の減少は抑制された. 【結論】IFN-βは, TNF-αによるclaudin-5のmRNA及び蛋白レベルでの発現の減少を抑制することにより, バリア機能の改善・修復に働いていると考えられた.
ISSN:0513-1731