小西賞受賞者講演「癌化学療法適正化のための処方監査システムの運用と評価」
多種多様な病態を有する入院, 外来患者へ的確な薬物を投与するには, 医薬品情報に精通しておくことは勿論であるが, 病名, 検査値など患者の基本情報を常に考慮しながら調剤, 無菌調製, 服薬指導などの任にあたらねばならない. 特に, 強力な細胞毒性を有し, 重大な副作用を引き起こす恐れのある抗癌剤ではなおさらである. しかし, 従来の薬剤業務では, 手にした処方箋の内容をチェックするのが精一杯で, 内服薬と注射薬との相互作用, 数週間も遡る処方との併用禁忌, 患者の病態によって投与できない薬剤などを瞬時に発見することは不可能であった. これを解決するため, 病院情報システムから逐次変化する患者の...
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Published in | 山口医学 Vol. 55; no. 2/3; p. 92 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
2006
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ISSN | 0513-1731 |
Cover
Summary: | 多種多様な病態を有する入院, 外来患者へ的確な薬物を投与するには, 医薬品情報に精通しておくことは勿論であるが, 病名, 検査値など患者の基本情報を常に考慮しながら調剤, 無菌調製, 服薬指導などの任にあたらねばならない. 特に, 強力な細胞毒性を有し, 重大な副作用を引き起こす恐れのある抗癌剤ではなおさらである. しかし, 従来の薬剤業務では, 手にした処方箋の内容をチェックするのが精一杯で, 内服薬と注射薬との相互作用, 数週間も遡る処方との併用禁忌, 患者の病態によって投与できない薬剤などを瞬時に発見することは不可能であった. これを解決するため, 病院情報システムから逐次変化する患者の基本情報, 頻繁に更新される薬歴などを効率良く, 確実に取り込み, リアルタイムで処方内容を監査するシステムを構築した. 本システムにより, 薬剤業務の習熟度によらず, 癌化学療法などあらゆる薬物療法の適正化に全ての薬剤師が大きく貢献できている. |
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ISSN: | 0513-1731 |