フランス海岸産の松樹皮抽出物であるフラバンジェノールのラット・コラーゲン誘発関節炎に対する作用(p.251-257)

フランス海岸産の松(Pinus maritime)樹皮抽出物の1つであるフラバンジェノール(FG)はオリゴマーの中に主としてプロアントシアニジンを含んでいる. プロアントシアニジンは, 抗酸化作用や抗動脈硬化作用を含む多くの生理作用を持っている. 本実験で我々はヒトの関節リウマチモデルであるラット・コラーゲン誘発関節炎に対するFGの作用を検討した. ラットに関節炎を誘発後, 対照飼料, 0.3%FG混合飼料または1%FG混合飼料を4週間与えた. その結果, FG混合飼料は対照飼料と比べて関節炎のスコア上昇と後肢腫脹を用量依存的に抑制した. また, 病理組織学的検索から1%FG混合飼料はラット関...

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Published in日本栄養・食糧学会誌 Vol. 64; no. 4; p. 248
Main Authors 鍔田仁人, 高垣欽也, 平野伸一, 岩谷綱一, 安倍千之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養・食糧学会 2011
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Summary:フランス海岸産の松(Pinus maritime)樹皮抽出物の1つであるフラバンジェノール(FG)はオリゴマーの中に主としてプロアントシアニジンを含んでいる. プロアントシアニジンは, 抗酸化作用や抗動脈硬化作用を含む多くの生理作用を持っている. 本実験で我々はヒトの関節リウマチモデルであるラット・コラーゲン誘発関節炎に対するFGの作用を検討した. ラットに関節炎を誘発後, 対照飼料, 0.3%FG混合飼料または1%FG混合飼料を4週間与えた. その結果, FG混合飼料は対照飼料と比べて関節炎のスコア上昇と後肢腫脹を用量依存的に抑制した. また, 病理組織学的検索から1%FG混合飼料はラット関節の急性病変および慢性病変を抑制することが分かった. さらに, FG混合飼料(0.3%および1%)は血漿中一酸化窒素の産生を抑制させた. これらの結果から, FGの混餌は急性および慢性炎症反応を抑制させることにより, ラット・コラーゲン誘発関節炎に対して有効性を示すことが示唆された.
ISSN:0287-3516