アレンドロネートとアルファカルシドールが卵巣摘出後骨量減少ラットの骨量と骨強度に及ぼす影響(P.1-8)
本研究の目的は, アレンドロネートとアルファカルシドールが卵巣摘出後骨量減少ラットの骨量と骨強度に及ぼす影響について比較検討することである. 材料はSprague-Dawley系雌性ラット25匹である. これを無作為に以下の4群に分けた. すなわち偽手術(Sham)群, 卵巣摘出(OVX)+ビークル投与群, OVX+アレンドロネート投与(2.5mg/kg, 経口)群およびOVX+アルファカルシドール投与(0.5μg/kg, 経口)群である. 薬物投与は実験開始後6週間後に開始し, 6週間継続した. 12週間の実験終了後に尿中デオキシピリジノリン(DPD)値および血清オステオカルシン(OC)値を...
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Published in | 日本栄養・食糧学会誌 Vol. 59; no. 2; p. 160 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本栄養・食糧学会
2006
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ISSN | 0287-3516 |
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Summary: | 本研究の目的は, アレンドロネートとアルファカルシドールが卵巣摘出後骨量減少ラットの骨量と骨強度に及ぼす影響について比較検討することである. 材料はSprague-Dawley系雌性ラット25匹である. これを無作為に以下の4群に分けた. すなわち偽手術(Sham)群, 卵巣摘出(OVX)+ビークル投与群, OVX+アレンドロネート投与(2.5mg/kg, 経口)群およびOVX+アルファカルシドール投与(0.5μg/kg, 経口)群である. 薬物投与は実験開始後6週間後に開始し, 6週間継続した. 12週間の実験終了後に尿中デオキシピリジノリン(DPD)値および血清オステオカルシン(OC)値を測定した後, 脛骨近位部二次海綿骨および骨幹部皮質骨の骨形態計測と大腿骨遠位部と骨幹部の力学強度試験を行った. アレンドロネート投与は尿中DPD値の増加を抑制し, 血清OC値をSham群の値以下まで低下させたのに対し, アルファカルシドール投与は尿中DPD値と血清OC値の増加を抑制するのみであった. アレンドロネート投与は, 海綿骨では骨代謝回転を減少させることによって骨量を増加させ, 皮質骨では内骨膜面での骨吸収を減少させることによって骨髄腔の増加を予防した. しかし, 海綿骨での骨形成(石灰化速度)の減少が著明であり, 大腿骨遠位部の骨強度を増加させることはできなかった. 一方, アルファカルシドール投与も海綿骨では骨代謝回転を減少させることによって骨量を増加させた. しかし骨形成(骨形成速度)は維持され, 骨量増加効果もアレンドロネート投与のそれよりも大きかった. 皮質骨では内骨膜面での骨吸収を減少させ骨形成を維持することによって皮質骨面積を増加させ骨髄腔面積を減少させた. さらに大腿骨遠位部の骨強度も増加させた. 以上から, アレンドロネートとアルファカルシドールが卵巣摘出後の骨量減少ラットの骨量と骨強度に及ぼす影響の相違点が明らかとなった. |
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ISSN: | 0287-3516 |