生活リズム攪乱モデル実験系における雄ラットの生殖器官発達抑制に及ぼす飼料中各種栄養素の影響および交互作用-L8(27)型直交表による検討-(P.388-396)

生活リズム攪乱モデル実験系として雄ラットを連続暗黒で飼育し, 生殖器官発達に与える飼料中栄養素量の影響を明らかにすることを本実験の目的とした. 栄養因子としてタンパク質, メチオニン, ビタミン, ミネラルおよび脂質を選択し, L8(27)型直交表を用いる実験計画法により飼料組成を設計した. 各種栄養素量は標準量(AIN-76飼料組成)または, 標準量の1/3から1/2量とした. 実験動物はフィッシャー系4週齢雄ラットを用い, 連続暗黒飼育条件下にて4週間飼育した. 対照群は, 12時間明期/12時間暗期の正常明暗飼育条件とした. 連続暗黒飼育群(D群), 正常明暗飼育群(N群)それぞれ, 生...

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Published in日本栄養・食糧学会誌 Vol. 57; no. 2; p. 113
Main Authors 花井美保, 久保勝知, 江指隆年
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養・食糧学会 2004
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ISSN0287-3516

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Summary:生活リズム攪乱モデル実験系として雄ラットを連続暗黒で飼育し, 生殖器官発達に与える飼料中栄養素量の影響を明らかにすることを本実験の目的とした. 栄養因子としてタンパク質, メチオニン, ビタミン, ミネラルおよび脂質を選択し, L8(27)型直交表を用いる実験計画法により飼料組成を設計した. 各種栄養素量は標準量(AIN-76飼料組成)または, 標準量の1/3から1/2量とした. 実験動物はフィッシャー系4週齢雄ラットを用い, 連続暗黒飼育条件下にて4週間飼育した. 対照群は, 12時間明期/12時間暗期の正常明暗飼育条件とした. 連続暗黒飼育群(D群), 正常明暗飼育群(N群)それぞれ, 生殖器官発達に及ぼす栄養素の影響が異なっていた. D群において, 睾丸重量を最大にする栄養素の組み合わせは「標準タンパク質, メチオニン添加, 低ビタミン, 低ミネラル, 標準脂質量」時であり, 最小にする組み合わせは, 「低タンパク質, メチオニン添加, 標準ビタミン量, 標準ミネラル量, 低脂質量」時であった. N群において, 睾丸重量を最大にする組み合わせは, 「標準タンパク質, メチオニン無添加」時であり, 最小にする組み合わせは「低タンパク質, メチオニン無添加」時であった. D群において, 血清テストステロン濃度を最大にする組み合わせは, 「標準タンパク質, 低ミネラル量」時であった. N群では, 血清テストステロン濃度に及ぼす栄養因子の影響は認められなかった. 以上の結果から連続暗黒飼育により生殖器官発達に必要なタンパク質, メチオニン, ビタミン, ミネラルおよび脂質量が変化することが明らかとなった.
ISSN:0287-3516